2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17500326
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
蜂屋 弘之 千葉大学, フロンティアメディカル工学研究開発センター, 教授 (90156349)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 匡 千葉大学, 工学部, 助手 (40334172)
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Keywords | 超音波 / 医用画像 / 定量診断 / 肝硬変 |
Research Abstract |
超音波断層装置を用いた医用診断は大きな成果をあげ,超音波診断装置は非常に普及してきた。しかし,断層画像を用いた診断には医師の経験や熟練を必要とする。生体の音響特性を利用し定量的な診断情報を得ようとする試みも行われてはいるが,生体組織の大きな特徴である不均一な構造は十分に考慮されておらず,有用な定量診断情報は得られていない。本研究では,超音波診断装置の大きな特徴であるリアルタイム性を最大限利用した実用的な定量診断システムを構築するために,主に剖検肝試料を用いて生体組織の音響特性の変化が超音波画像にどのような影響を与えるのかを,定量的に解明することを目的としている。まず,ホルマリン固定した肝臓の一部を水槽中に固定し,精密移動テーブルに取り付けた探触子を肝臓の厚み方向にスライドさせ,RFエコー信号を連続的に収集した。計測を行った生体組織は,1mm程度の間隔で数十枚の病理写真を作成した。病理組織は線維染色され,線維組織が選択的に染められており,この色情報から,線維組織のみを抽出した。一方,水槽において超音波診断装置を用いて得られた3次元超音波データは,われわれが提案する線維抽出処理(FSET)により解析した。多数の散乱体がランダムで密に存在している正常肝からのエコー信号の振幅確率密度分布は,レイリー分布で近似できるが,本処理は,肝炎や肝硬変など線維化した組織からのエコー信号の振幅分布特性はレイリー分布から逸脱するのを利用し,線維組織を抽出している。本定量化手法による線維構造と実際の線維組織は,重度の肝硬変試料ではよく一致していた。しかし,線維化の軽度な試料では,3次元的なつながりを考慮した処理方法を開発する必要があり,今後検討する予定である。
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Research Products
(2 results)