2005 Fiscal Year Annual Research Report
糖尿病性腎症におけるリハビリテーション運動療法の有効性の機序解明
Project/Area Number |
17500343
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
金澤 雅之 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (60282050)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上月 正博 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (70234698)
南 尚義 東北大学, 病院・講師 (80333821)
伊藤 修 東北大学, 大学院医学系研究科, 助手 (00361072)
佐藤 寿伸 東北大学, 病院・助教授 (50312583)
高木 理彰 山形大学, 医学部附属病院, 助教授 (40241707)
|
Keywords | 糖尿病性腎症 / リハビリテーション / 長期的運動療法 / ラット / 腎保護効果 / 運動耐容能 |
Research Abstract |
糖尿病性腎症モデルラットに対する長期的運動の運動耐容能、腎機能、腎組織障害、尿蛋白排泄量(UP)、骨格筋線維組成、骨格筋毛細血管密度、骨格筋酸化能、骨代謝速度、骨塩密度に対する影響。 【方法】後藤-柿崎ラットを手術し、片腎を摘出した。術後より高カロリー食と30%ショ糖溶液を与え、1週間毎に血糖値とUPを測定して経過観察した。各々の値が200mg/dl以上かつ300mg/dl以上に達した時点でトレッドミル運動負荷試験(TT)と呼気ガス分析を行った後、12週間にわたる長期的運動療法を開始した。運動はラット用トレッドミル装置を用いて、速度20m/分の走行を、1日1回60分間ずつ、1週間に5回実施した。定期的に収縮期血圧(SBP)、体重、摂食量、尿量、UPを測定し、最終週には、TTにて運動耐容能を評価した後に断頭採血を行い、血清クレアチニン値(SCr)、血液尿素窒素値(BUN)を測定した。また、腎を病理組織学的に検討し、糸球体硬化指数(IGS)、relative interstitial volume(RIV)を算出した。また、心、大動脈、ヒラメ筋、長趾伸筋、大腿骨を摘出した。 【結果】本モデルラットにおいて、速度20m/分で走行時の酸素摂取量(VO_2)はpeakVO_2の75%であった。長期的運動群と運動をしない対照群のSBPに差異を認めなかった。長期的運動群のUPは対照群に比較して有意に低値を示した。長期的運動群のTTにおける走行可能距離は対照群に比較して有意に長距離であった。長期的運動群のIGSとRIVは対照群に比較して有意に低値を示した。 【結論】糖尿病性腎症モデルラットにおける長期的運動療法の腎保護効果が示唆された。また、その腎保護効果は全身血圧の変化を介さずにもたらされることが示唆された。さらに、長期的運動による運動耐容能(持久力)増強効果が示唆された。以上より、まだ解析は半ばであるが、糖尿病性腎症における運動療法の有効性の機序を解明する手がかりが得られた。
|
Research Products
(10 results)