2006 Fiscal Year Annual Research Report
脳磁図による舌切除者を含む口腔各器官の運動・感覚関連磁界とリハビリテーション
Project/Area Number |
17500345
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
伊藤 秀美 東北大学, 大学院歯学研究科, 講師 (50005104)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 具文 東北大学, 病院・助手 (40323034)
菊地 正嘉 東北大学, 大学院歯学研究科, 教授 (70005065)
森川 秀広 東北大学, 大学院歯学研究科, 助手 (60302155)
為川 雄二 東北大学, 大学院教育学研究部, 助手 (30351969)
畑中 啓作 岡山理科大学, 理学部, 教授 (70351880)
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Keywords | 脳磁図 / 舌切除者 / 脳血管障害者 / 運動磁界 / 感覚・知覚磁界 / 電気的パラトグラフ / 視覚刺激 |
Research Abstract |
本研究は,成人有歯顎者および舌切除や脳血管障害などによる構音・摂食・嚥下障害を持つ中途障害者を対象に,リハビリによる機能回復に対する脳中枢の運動・感覚・知覚関連磁界と末梢の舌運動の調査・解明を通したリハビリテーション治療法と社会復帰のためのプログラム確立の基礎資料を得ることである. 平成18年度は,1)成人有歯顎者を対象に,視覚的フィードバックによる言語訓練のための基礎資料として幾何学パタンによる瞬間的な非言語・視覚刺激による脳内の言語情報の処理過程,2)舌切除者を対象に,下顎運動制御・光ファイバー式舌運動観測装置を用いて舌尖部を引き抜く運動の際の脳磁界,それぞれをMEGとMR画像の統合システムを用いて測定し、脳の三次元解剖構造との関連も調査した.3)脳血管障害,頭部外傷などおよび舌部分切除による中途障害者を対象に,日本語子音発語時の舌運動に関して電気的パラトグラムを用いて調査した. 以下のことが明らかになった. 1)成人有歯顎者への非言語刺激により,刺激後85ms付近に刺激視野と反対側の後頭頂溝付近の高次視覚野において,頭頂から下方に向かう電流ダイポールの活動を認めた.この活動は,100ms付近の潜時で一次視覚野に戻るが,視覚情報の一部は後頭頂溝付近の高次視覚野からさらに高次の脳機能を処理する領野に送られ処理が行われていると思われる.2)舌切除者の等磁界線パタンは潜時約-43から-37ms付近に,両側性で後ろ向きの電流が観測され,体制感覚由来のものと考えられた.この傾向は成人有歯顎者においても同様であった.一方,末梢のパラトグラムは両者で異なっていた.その信号源位置は,中心溝前方と推定された.3)脳血管障害者や頭部外傷者などのパラトグラムは訓練前においては狭めや閉鎖形成が不十分であったが,訓練後ではほぼ正常なパタンを認めた.しかしその持続性に関しては今後の検討課題である.
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