2006 Fiscal Year Annual Research Report
骨格筋萎縮の進行抑制に及ぼすストレッチとアドレナリン受容体作用薬の併用効果
Project/Area Number |
17500351
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
山崎 俊明 金沢大学, 医学系研究科, 教授 (00220319)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横川 正美 金沢大学, 医学系研究科, 助手 (80303288)
立野 勝彦 金沢大学, 医学系研究科, 教授 (40092788)
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Keywords | リハビリテーション / 動物 / 細胞・組織 |
Research Abstract |
リハビリテーション領域における重要な課題である廃用性筋萎縮の進行予防に焦点を絞り、筋萎縮進行中のストレッチ効果、および筋肥大効果が報告されているアドレナリン受容体作用薬(clenbuterol ; Cb)投与との併用効果を調べた。 廃用性筋萎縮は、後肢懸垂法により作成し、2週間の実験期間を設定した。実験動物としてWistar系ラットを使い5群に分け、通常飼育群(CON)の他4群を実験群とした。実験群には後肢懸垂処置を行い、後肢懸垂群(HU)、1日1時間ストレッチ実施群(STR)、Cb投与群(Cb)およびストレッチとCb投与の併用群(STR+Cb)とした。 分析は、形態評価として筋湿重量、筋線維断面積、筋線維タイプを、機能的評価として電気刺激による筋収縮張力を測定した。筋収縮張力測定は筋摘出時に実施し、データはコンピュータに保存し、さらに生化学的分析として筋原線維タンパク量(MP)を測定した。 Cb群およびSTR+Cb群の筋収縮時間はCON群より有意に短縮し、HU群およびSTR群の収縮時間はCON群と差がないことから、Cb投与による速筋化傾向が示唆された。実験群の単収縮張力(Pt)は、CON群に比し有意に減少し実験群間に差はなかった。単位断面積あたりのPtは、STR群がCON群と差がなく、しかもCb群より有意に大きい結果から、筋伸張の効果が示唆された。実験群のMPは、CON群に比し有意に減少した。実験群間では、Cb群およびSTR+Cb群のMPが、HU群およびSTR群より有意に大きく、Cb投与の効果が示唆された。またHU群とIST群間に差は認められなかった。平成17年度の組織化学分析の結果を含め総合的に考察するならば、廃用性筋萎縮進行中のラットヒラメ筋に対する予防的介入方法として、Cb投与による断面積減少の抑制と、筋ストレッチによる伸張刺激の併用効果の有用性が示唆された。
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