2005 Fiscal Year Annual Research Report
神経因性疼痛と二次的な筋の変性に対する予防の実験的研究
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17500353
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
肥田 朋子 名古屋大学, 医学部, 助手 (20223050)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水村 和枝 名古屋大学, 環境医学研究所, 教授 (00109349)
和田 正信 広島大学, 総合科学部, 教授 (80220961)
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Keywords | 疼痛モデル動物 / ストレッチ / 鎮痛 / 筋線維組成 / GDNF |
Research Abstract |
疼痛モデル動物を用いて物理的刺激による治療を試み,筋萎縮の発生や進行および疼痛への影響を明らかにすることを目的に,本年度は神経因性疼痛モデル(以下,CCI)を作成し,その一部はモデル作成直後から下腿三頭筋に対して持続的なストレッチを2週間施し,シャム処置のコントロール群、CCI群およびCCIストレッチ群の3群で疼痛行動,筋線維組成および後根神経節細胞におけるグリア由来神経栄養因子(GDNF)の発現程度を調べた。 疼痛行動評価では,足底皮膚への触・痛覚刺激と下腿三頭筋部への体表からの圧迫刺激に対する逃避行動を指標とした。CCI群では足底皮膚への触刺激は痛み刺激同様,逃避行動を示すようになり,アロディニアが確認された。またこれにストレッチの効果は認められなかった。一方,皮膚表面から下腿三頭筋部へ与えた圧刺激に対する逃避反応閾値は、CCIストレッチ群ではCCI群に比べ有意に閾値が高く,疼痛抑制効果が認められた。 筋線維組成は,下腿三頭筋のうち速筋に代表される腓腹筋浅層部と遅筋に代表されるひらめ筋を深麻酔下に採取して生化学的にミオシン重鎖アイソフォーム(MHC)から調べた。CCI群では遅筋は筋線維タイプに変化を認めなかったが,速筋はMHC2b型が減少し,MHC1型が発現し、速筋特異的組成がくずれ遅筋に近い組成に変化した。一方CCIストレッチ群では,この速筋の遅筋化が抑えられた。なお採取筋の一部は筋の収縮弛緩に関与するCa^<2+>取り込み能力を調べるため,破砕処理後,抽出液を凍結保存させた。 神経系への影響は、各群1匹ずつ潅流固定後に後根神経節を取り出し組織学的にGDNFの発現を調べた。CCIストレッチ群ではGDNFの発現量が増加した。しかし各群1匹ずつでの検討であり,今後は例数を増加させたいが,より定量的な生化学的な方法で検討したい。
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Research Products
(7 results)