2005 Fiscal Year Annual Research Report
色覚シミュレーションと配色最適化に基づく色覚バリアフリー画像の自動生成
Project/Area Number |
17500354
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
中内 茂樹 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授 (00252320)
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Keywords | 色覚バリアフリー / シミュレーション |
Research Abstract |
本研究では画像中から色覚異常者にとって混同しやすい配色を検出し、さらにそれらを色覚正常者・異常者のいずれに対しても識別しやすい色に変換する手法を考案した。先ず、原画像で用いられている色を抽出し、これらの色の組み合わせについて色覚正常者及び異常者が知覚する色差を求め、これらの比を用いて混同しやすい配色を検出する。次に、検出された配色を色覚異常者にとって区別しやすくなるように、なるべく元の色を保存しつつ変更する。このとき、配色の混同しやすさを表す混同度と、色の変更量を表す変更度との和として評価関数を定義し、最急降下法、あるいはランダムサーチによる最適化により色の変更を行った。こうした手法をGUIを用いたソフトウエアシステムとして構築した。石原総合色盲検査表に対し、提案法を適用したところ、色覚異常者にとっても色覚正常者と同様に識別可能となる配色が得られた。色覚異常者1名(Deuteranope)を被験者とし、石原総合検査表や防災マップ等の画像を用いて評価実験を行った結果、提案法により混同しやすい配色が改善され、原画像では区別できなかった配色が区別できるようになることが確認できた。なお、色数に依存するものの右図(350×350pixel、16色)に対しては3〜5秒程度で変換が可能である。提案法は身近な防災マップや地下鉄路線図、細胞画像等の様々な分野へ容易に応用することができ、色覚バリアフリー社会の発展に貢献できるものと考える。
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Research Products
(1 results)