2005 Fiscal Year Annual Research Report
切断者の断端管理の研究と金属フタロシアニン消臭・抗菌ソケットの開発
Project/Area Number |
17500358
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
古川 宏 神戸大学, 医学部, 教授 (30156963)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野田 和恵 神戸大学, 医学部, 助教授 (50208352)
渡邊 信 神戸大学, 医学部, 教授 (50107950)
白川 卓 神戸大学, 医学部, 助教授 (30171044)
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Keywords | 医療・福祉 / 衛生 / リハビリテーション / 義肢 / 消臭・抗菌 |
Research Abstract |
本研究は、切断者が自ら気にしているソケットの悪臭と断端部の湿疹の改善を目的に消臭・抗菌ソケットの開発を2年間で行う切断者のQOLを高めるための研究である。平成17年度は金属フタロシアニン処理の断端袋(KSS)の抗菌性、他の断端袋との抗菌性の比較、水分吸収性、臭気試験の検討および金属フタロシアニンをソケットの材料・材質であるリゴラック、リポキシとどの様に混合させるかの検討を行った。 菌液吸収法による抗菌性の検討では、JISL1902「繊維製品の抗菌性試験方法・抗菌効果」に従い、混釈平板法で検定を行った。使用断端布はKSS,市販の漂白布および生成布の3種であった。使用菌株Staphylococcus aureusNBRC12732(ATCC6538P),Klebsiella pnumoniaeNBRC13277(ATCC4352)、培地および使用器具類はJISL1902の規格に従った。1)KSSの菌液吸収法による抗菌性試験結果はJIS判定基準に従うとKSSは静菌活性を有する布であり、抗菌防臭加工製品として十分な抗菌力を持つと考えられた。また、殺菌活性に関してはS.aureusでは基準を満たしているが、K.pnumoniaeでは基準以下であった。2)他の断端布との抗菌性の比較では、漂白布のS.aureusで静菌活性が認められたが、その他はいずれも菌の増殖が顕著であり、静菌活性・殺菌活性とも認められず抗菌断端布としてはKSSが最適であることが証明された。水分吸収性の実験では、吸水速度はKSS100%、漂白布66%、生成布14%でKSSの吸水速度の良さがわかった。吸水能力の測定ではKSS水に浸した直後から一定の割合で水を6時間連続吸い上げた漂白布は、最初の吸い上げが遅いがその後はKSSと同じような割合で吸い続けた。市販の断端袋として使っている生成布では殆ど水を吸い上げないことが解った。3)臭気試験は、ハンディー臭気モニターを使用してパイロットスタディーを行っている。4)金属フタロシアニンをソケットの材料であるリゴラックとの混合は、KSSを使用して直接ソケットを作る場合と、KSSをパウダーにしてリゴラック材と混ぜ合わせた材料でソケットを作る場合の抗菌性・消臭力の変化を見るため2種のソケットの試作を試行錯誤している。
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