2006 Fiscal Year Annual Research Report
脳血管障害者の運動能力に対する評価・訓練装置を使用した運転支援システムの標準化
Project/Area Number |
17500366
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
井上 薫 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 准教授 (90259143)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 由美 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 准教授 (80259142)
伊藤 祐子 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 助教 (60289973)
高橋 良至 東洋大学, ライフデザイン学部, 准教授 (30396931)
米田 隆志 芝浦工業大学, システム工学部, 教授 (90011030)
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Keywords | 自動車 / 運転支援 / ドライビングシュミレータ / 脳血管障害 / 評価 / トレーニング |
Research Abstract |
高齢者、何らかの障害を有する運転者に対しては、個別支援が重要であり、運動学習の視点に立脚した検討が必要である。そこで、我々は、平成15、16年度(若手研究(B))においては、スクリーニング検査用簡易ドライビングシミュレータを開発し、初期検証を実施し、有効性を確認した。装置の構成はパーソナルコンピュータ、ハンドルペダルデバイス、専用アプリケーションから構成される。前期高齢者群を対象にドライビングシミュレータを使用した(1)評価、(2)トレーニング(1ヶ月間に10回実施)、(3)再評価という過程を通じ、反応性、ステアリング操作など動作要素の向上が認められ、実車走行状況にもよい影響を与えたことが確認された。このように前期高齢者を中心とした年齢層の対象者に潜在能力があることを示すことができ、再学習の可能性を実証した(平成15,16年)。この流れを受け、平成17、18年度(基盤研究(C))においては、さらに標準化を目標とし、(1)失認・注意障害などの高次脳機能障害の症状の定量測定を試み、(2)障害像、日常生活動作の自立度等との相関を検討することで自立支援への一資料とし、(3)リハにおける運転支援システムのモデル提唱を試み、現在データ蓄積および成果をまとめた。脳血管障害者の結果から、本システムが障害の状態を反映しうるものであり、対象者の意欲を高める、障害の認識を促す,点においても有効であることなどについて国内外の学会で中間結果を公表し、好評を得た(平成17,18年)。特筆すべき結果としては、自動車運転が自立している脳血管障害者(6名)のDSのハンドル操作の測定結果が、一般成人とほぼ同レベルの正確性を保持していたことを示した点である。今後に残した課題としては、被験者数が不足しており、次年度以降の研究において継続していく必要がある。
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Research Products
(3 results)