2006 Fiscal Year Annual Research Report
大腿骨頚部骨折患者の帰結の予測に影響する運動学習と再転倒予防レディネスの効果
Project/Area Number |
17500379
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
岡西 哲夫 藤田保健衛生大学, 衛生学部, 教授 (80387670)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 誠 藤田保健衛生大学, 衛生学部, 助教授 (00387672)
櫻井 宏明 藤田保健衛生大学, 医学研究科, 研究員 (90387704)
才藤 栄一 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (50162186)
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Keywords | 大腿骨頚部骨折 / 移乗・移動動作 / 椅子からの立ち上がり / モーメント戦略 / スタビライズ戦略 / 手すり / 再転倒不安 / レディネス |
Research Abstract |
目的:大腿骨頸部骨折患者の機能的帰結である移動・移乗能力の再獲得をめざした訓練法の研究として、椅子からの立ち上がり戦略の効果を、昨年の健常高齢者に引き続いて、患者群を対象に検討した。 方法:普段(教示なし)の立ち上がりを基準にして、手すりの利用とモーメント戦略の効果を筋電図学的に比較検討した。椅子の高さは50cmとした。 結果:歩行練習初期段階の患者8名(平均年齢80.1歳)において、教示なし時の立ち上がり戦略は、健常者のバランス能力不安定群に類似して、安定性優位で、主に下肢筋力を利用したスタビライズ戦略を呈した。内側広筋活動は、殿部離床時に、1峯性の高い筋活動パターンを示した。手すりの利用時では、内側広筋活動は、教示なし時に比して低い活動(平均約60%)を示したが、筋活動パターンは同様であった。そこで、体幹の前方移動と頚部、体幹の伸展運動を膝伸展モーメントに利用するモーメント戦略を反復誘導練習(5〜6回)して、3分休憩後の成果では、内側広筋活動は、全例とも、教示なし時に比して低い活動(平均約70%)を示した。しかも殿部離床前後にかけて2峯性の筋活動パターンを示した。胸椎後彎を呈し、膝に手をついて立ち上がる症例では、その姿勢を利用したモーメント戦略の習得を認めた。 次に、帰結の予測に影響する再転倒不安とレディネスについて大腿骨頸部骨折患者36例(平均年齢80歳)を対象に、特性不安項目34項目において主成分分析を行った。その結果、第一因子として8項目(患者の機能状態、リハビリや歩行に関する自信、ふらつき、立ち上がり不安、移乗動作など):寄与率23.2%、第2因子として3項目(再転倒不安、杖に関する不安、階段の降り不安):第1〜2合計寄与率33.3%であった。今後は、症例数を増やし、移乗・移動動作における、習熟した筋力発揮の効果と、特性不安項目(第1因子と第2因子)との関連について検討を進めたい。
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Research Products
(1 results)