2007 Fiscal Year Annual Research Report
大腿骨頸部骨折患者の帰結の予測に影響する運動学習と再転倒予防レディネスの効果
Project/Area Number |
17500379
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
岡西 哲夫 Fujita Health University, 衛生学部, 教授 (80387670)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 誠 藤田保健衛生大学, 衛生学部, 准教授 (00387672)
櫻井 宏明 藤田保健衛生大学, 衛生学部, 准教授 (90387704)
才藤 栄一 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (50162186)
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Keywords | 大腿骨頸部骨折 / 移乗・移動動作 / 椅子からの立ち上がり / 手すり / モーメント戦略 / 因子分析 / 再転倒不安 / レディネス |
Research Abstract |
目的:大腿骨頸部骨折患者の帰結の予測に影響する移乗・移動動作の能力と再転倒不安に対するレディネスの研究として、1)椅子からの立ち上がり戦略の効果、2)特性不安およびリハビリ過程での不安などについて検討した。方法:1)教示なしの立ち上がりを基準として、手すりの利用、モーメント戦略の効果を筋電図学的に比較検討した。結果:対象者(術後平均4.3±1.7週の患者9名:平均年齢82.0±7.7歳)において、教示なし時では、殿部が座面から離れる時点で、内側広筋、脊柱起立筋の両筋が共に1峰性に高い筋活動(最大筋活動の1.04倍)を示した。手すりの利用では、内側広筋活動は、教示なし時と比べて有意に低い活動(最大筋活動の0.67倍)を示した。一方、体幹の前方移動を膝の伸展モーメントに利用するモーメント戦略指導後の内側広筋活動は、教示なし時と比べて、やや低い活動(最大筋活動の0.81倍)を示したが、有意差は認められなかった。しかし、教示なし時に立ち上がり困難であったが、モーメント戦略指導後、1回で起立できた例や、内側広筋が2峰性に低い筋活動を示す例も見られた。2)次に、大腿骨頸部骨折患者51例(平均年齢80歳)を対象に、特性不安など33項目について因子分析を行い、Varimax回転後の寄与率の高い4因子を抽出し、因子負荷量の高い質問項目内容を考慮して名前をつけた。即ち、第1因子(寄与率15.78):移乗動作不安、第2因子(寄与率10.08):再転倒および階段昇降不安、第3因子(寄与率9.22):訓練に対する安心感、第4因子(寄与率12.43):全体的満足感であった。考察:各患者の立ち上がり時の筋活動特性とこれらの不安・満足要因因子との間に関連性があると考えられるので、大腿骨頸部骨折患者に対する理学療法は、対象患者の心理が、特性不安4因子のどこに位置するかを予測しながら移乗(椅子からの立ち上がり)、および階段昇降訓練を有効かつ適切に介入する必要性が示唆された。
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Research Products
(3 results)