2006 Fiscal Year Annual Research Report
筋傷害性慢性痛症と運動療法の効果についての基礎実験的アプローチ
Project/Area Number |
17500381
|
Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
橋本 辰幸 愛知医科大学, 医学部, 助手 (80367763)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊澤 孝朗 愛知医科大学, 医学部, 教授 (20022775)
菅屋 潤壹 愛知医科大学, 医学部, 教授 (50109352)
|
Keywords | 慢性痛 / 筋障害 / リハビリテーション / 痛み / 自律神経 |
Research Abstract |
本研究では、軟部組織障害に由来した慢性痛症に対する運動療法の効果について基礎的に解析するために痛み系並びに自律系に変調をきたす病態モデルラットを開発し、慢性的な痛み対する運動効果をトレッドミルで検討した。 1.筋障害による慢性痛症モデル動物の開発 ラット-側腓腹筋に内毒素及び高張食塩水を複合投与したところ足底皮膚への機械的刺激に対する反応性のみが投与後10週間以上亢進したが、これとは対照的に筋障害部位の痛み行動は3日目には消失した。本モデルが呈する痛み行動亢進は皮膚に限局していたが、慢性痛症に対する運動の影響を多面的に検討するためには筋を始めとした運動器に慢性的痛み行動を呈するモデルが必要であった。このモデルと平行して開発された下肢不動化による運動器障害をトリガーとした病態モデルは、2週間のギプス除去後に惹起される足底への機械的・熱的刺激に対する反応性亢進と同時に筋圧痛閾値も10週間以上の低下を示すことが明らかとなった。 2.モデル動物の自律系における機能解析 下肢不動化モデルの自律系動態をテレメトリー装置により解析したところ、正常動物と比較した場合に、ギプス固定中は末梢交感神経活動の亢進が見られたが、ギプス除去後はむしろ低下していることが判明した。さらに、低温曝露刺激により血圧上昇率から、交感神経活動の感受性が増大していることが推定された。 3.慢性的痛み行動に対する運動効果 ギプス除去後3日目から12m/分のトレッドミル運動を週3回の頻度で2週間負荷した後、痛み行動の推移を10週以上フォローアップした。運動により皮膚と筋の痛み行動が抑制される傾向にあったが、個体間で比較した場合には効果にばらつきがあり、抑制傾向にあった痛み行動が運動終了後4週目から再び亢進する例も確認された。関節可動制限の回復時期に運動負荷は影響しなかった。
|
Research Products
(2 results)