2006 Fiscal Year Annual Research Report
介護老人保健施設における言語聴覚障害スクリーニングテストの開発
Project/Area Number |
17500386
|
Research Institution | Kyushu University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
飯干 紀代子 九州保健福祉大学, 保健科学部, 助教授 (80331156)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 弘幸 九州保健福祉大学, 保健科学部, 教授 (70331155)
笠井 新一郎 九州保健福祉大学, 保健科学部, 教授 (50341657)
倉内 紀子 九州保健福祉大学, 保健科学部, 教授 (60320488)
|
Keywords | 言語聴覚障害 / スクリーニング検査 / 介護老人保健施設 |
Research Abstract |
介護老人保健施設(以下、老健)利用者を対象とした言語および構音スクリーニング検査を開発するため、スクリーニング検査試案を作成し、信頼性と妥当性を検討した上で、課題および項目を抽出し、選別基準を設定した。本邦あるいは国外における言語および構音の標準的検査を基に、先行研究の延べ9つの問題点を考慮して、16課題70項目から成る言語スクリーニング検査試案と2課題9項目から成る構音スクリーニング検査試案を作成した。各々の試案を、本邦老健利用者の平均的属性を反映した延べ217例に施行し、信頼性については評価者内信頼性(r_s=0.81〜0.88)と評価者間信頼性(r_s=0.76〜0.87)、妥当性については基準関連妥当性(p<0.01)と構成概念妥当性(p<0.01)が示された。各試案から、言語スクリーニング検査では因子分析と通過率の分析、構音スクリーニング検査では、明瞭度評価施行困難項目の除外と、明瞭度の群間差の分析により、各々8課題16項目、1課題3項目を抽出した。抽出された課題および項目に十分な内的整合性(α=0.91〜0.98)を認めた。抽出された項目について感度と特異度を算出し、言語スクリーニング検査では正答数13/16以下、構音スクリーニング検査では5段階評価における明瞭度2以上という選別基準が得られた。開発した言語および構音スクリーニング検査は、先行研究の問題点を解決する課題および項目から構成され、所要時間も短く、関連領域の検査と比し選別基準も妥当であることから、老健における有用な言語および構音スクリーニング検査になり得ると考えられた。
|