2007 Fiscal Year Annual Research Report
介護老人保健施設における言語聴覚障害スクリーニングテストの開発とリハビリテーションプログラムの構築に関する研究
Project/Area Number |
17500386
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Research Institution | Kyushu University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
飯干 紀代子 Kyushu University of Health and Welfare, 保健科学部, 准教授 (80331156)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 弘幸 九州保健福祉大学, 保健科学部, 教授 (70331155)
笠井 新一郎 九州保健福祉大学, 保健科学部, 教授 (50341657)
倉内 紀子 九州保健福祉大学, 保健科学部, 教授 (60320488)
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Keywords | 言語聴覚障害 / スクリーニング検査 / 介護老人保健施設 / コミュニケーションストラテジー |
Research Abstract |
我々は平成19年度本科学研究費にて、介護老人保健施設(以下、老健)利用者を対象とした言語障害スクリーニング検査(以下、スクリーニング)を開発した。スクリーニングは言語の4モダリティ、すなわち聴覚的理解、視覚的理解、発話、書字を、単語レベルと短文レベルの計16項目で評価する構成である。今年度は、老健利用者の多数を占める認知症者のコミュニケーションストラテジーについて検討するため、スクリーニングを実施して得られた結果を、失語症者の結果と対比して分析を行った。 対象は、Alzheimer型認知症者15例(男性9例、女性6例、平均年齢72.8±5.4歳、改訂版長谷川式簡易知能検査スケール3〜20点)、失語症者51例(男性26例、女性25例、平均年齢65.9±13.2歳、失語症タイプ;Broca18例、Werniche11例、健忘6例、超皮質性3例、伝導2例、分類困難11例)であった。 分析の結果、以下の3点が明らかになった。(1)認知症者は失語症者に比して平均正答数が高く、かつ全例が正答数10/16以上であった。(2)認知症者は失語症者に比し、呼称、短文の復唱、仮名単語の書字において正答率が高く、先行研究を裏付ける結果であった。(3)認知症者の単語レベルの項目の正答率は、言語の4モダリティにおいて66.7〜100.0%であり、短文レベルの項目に比して高く、コミュニケーションストラテジーとして単語を活用することの有用性が示唆された。
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Research Products
(2 results)