2005 Fiscal Year Annual Research Report
身体運動感覚情報の利用が物体運動の知覚認知の正確性に及ぼす効果
Project/Area Number |
17500394
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
田中 秀幸 東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究部, 助教授 (70231412)
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Keywords | 固有受容感覚 / 位置判断 / 追跡課題 / 人間行動 |
Research Abstract |
物体運動の知覚認知における視覚情報と固有受容感覚情報の関連性を明らかにするために,本年度は,移動する標的の位置判断課題における固有受容感覚情報利用の効果の解析を行った.位置判断課題は,運動する標的(ターゲット)の軌跡を遮蔽し,ある時間経過後の位置を回答させる中断パラダイムを用いた.具体的には,水平等速移動するターゲットを背面投射型スクリーン上に表示した.ターゲットを移動途中でスクリーン上から消し,特定時間経過後に音信号を与えた.被験者にはターゲットを目で追跡し,音信号が与えられた瞬間のターゲット位置を判断させた(視覚のみによる位置判断:コントロール条件). 固有受容感覚情報の効果を確認する実験(固有受容感覚と視覚による位置判断:追跡条件)では,追跡操作盤を用いた.被験者は追跡操作盤の追跡レバーを水平にスライドさせ,ターゲットを追跡できるようにした.追跡レバーの移動方向はターゲットのそれと一致するように配置した.追跡操作盤と被験者の前腕を板で隠し,被験者から見えなくした.被験者には,コントロール条件と同様に,ターゲットが消えた後に提示される音刺激の瞬間のターゲット位置を判断させた.追跡操作レバー位置の視覚フィードバックは,カーソルとしてスクリーンに表示した.カーソルをスクリーン上に完全に表示する場合,全く表示しない場合,部分的に表示する場合の3条件で実験を行った.コントロール条件とこれらの追跡条件間でターゲット位置判断のパフォーマンス(各種の誤差測度)の比較を行った結果,固有受容感覚情報(ターゲット追跡中の手の位置情報)の利用がターゲットの位置判断の正確性を高めることがわかった. 研究成果は国際学会(The 11th Annual Congress of the European College of Sport Science,2006年7月開催予定)に投稿し,発表採択された.
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