2006 Fiscal Year Annual Research Report
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17500418
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
百鬼 史訓 東京農工大学, 大学院共生科学技術研究院, 教授 (20126296)
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Keywords | 剣道 / 剣道具 / 剣道難聴 / 聴力疲労 / 騒音 / 歪成分耳音響放射(OAE) / 内耳機能 |
Research Abstract |
1.目的:剣道難聴の発生原因を検討するため、剣道を行う騒音環境下に暴露されたことが剣道難聴の発生原因であるとの仮説に立ち、剣道の稽古前後における聴力変化(聴力疲労)および剣道稽古時に発生する騒音環境に暴露した場合の聴力疲労について検討した。 2.方法:1)対象者:剣道を行っている学生および指導者を対象とした。2)対象条件:(1)被験者の聴力変動の測定(2)剣道稽古実施前後の聴力変化の測定(3)実際の音量に調節した剣道稽古風景のビデオを1時間視聴し、騒音暴露の聴力変化を測定3)聴力疲労測定法:(1)標準純音聴力検査をオージオメータ(RION AA-56)により、設置型防音室(RION AT-57)内にて実施した。(2)オージオメータを改良し、周波数毎の各音圧における音刺激提示・応答の電気信号を発生させ、ユニバーサルカウンターにより応答時間を測定した。(3)OAEアナライザー(RION ER-32)を使用し、歪成分耳音響放射による内耳の他覚的聴力検査を行った。 3.結果:1)オージオメータを改良し、青信号提示や応答信号を出力させ応答時間を測定したが、応答時間が音量レベルを反映することができなかったため聴力疲労の指標値として検討することは困難であった。2)オージオメータによる聴力検査結果から、各被験者の聴力は随時変動しており、身体疲労や生理的変化(血圧)などの影響を受けるものと推察された。聴力機能の低い者ほど、騒音暴露が500〜3000Hzの周波数帯域で聴力低下の傾向にあるが、統計的に有意差は認められなかった。稽古の影響の有無については個人差が認められた。 3)OAEの結果から、内耳機能は随時変動していると推察され、稽古によって聴力機能が低下している傾向が認められ4000Hzで顕著であったが統計的に有意差はなかった。騒音暴露の影響の有無には個人差が認められた。
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