2005 Fiscal Year Annual Research Report
ストレッチングによる適応現象の両極〜一過性および慢性の可動性向上の比較から〜
Project/Area Number |
17500420
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
水村 真由美 (久埜 真由美) お茶の水女子大学, 文教育学部, 助教授 (60292801)
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Keywords | ストレッチング / 筋伸長 / 筋束長 / 超音波画像 |
Research Abstract |
本年度は、一過性のストレッチングによる筋出力の減退要因を検討するために、ストレッチングによる適応の影響を受けたと考えられる舞踊経験者を対象に、ストレッチング中および前後での筋束長の変化を、超音波Bモード法画像を用いて調べた。対象は、1〜18の舞踊経験を有する女性10名であった。ストレッチングは、足関節背屈の1分間保持を、1分の休息を挟んで5回繰りかえした。ストレッチング前後に、足関節の角度変化に伴う内側および外側腓腹筋筋束長の変化を超音波Bモード法による断層画像(アロカ社製)から調査し、関節の角度変化に伴う筋腱連合体の構造的な変化を評価した。5回のストレッチングを行った結果、3回目以降およびストレッチング直後で有意な関節可動域の増大が認められた。また関節角度の変化に伴い、内側および外側腓腹筋の筋形状は有意に変化したが、ストレッチング前後では両筋の筋形状に有意な変化はみられなかった。ストレッチングによる関節可動域の変化と各筋の羽状角および推定筋束長の変化の間には有意な相関関係は認められず、ストレッチングによる関節可動域の増加には筋束長の延長以外の要因が関与する可能性が示された。また得られた相関係数を内側および外側腓腹筋で比較すると若干の差異が認められ、足関節背屈動作のストレッチングによる筋形状の変化は筋によって異なる可能性も示された。本年度の調査結果を踏まえ次年度では、柔軟性の高い舞踊経験者と未経験者の2群を比較することにより、過度な関節可動性による適応現象が、筋の力-長さ関係に与える影響を検討する
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