2005 Fiscal Year Annual Research Report
運動による骨格筋AMPキナーゼ活性化とその生理作用の修飾因子に関する研究
Project/Area Number |
17500424
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
林 達也 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 助教授 (00314211)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伏木 亨 京都大学, 大学院・農学研究科, 教授 (20135544)
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Keywords | 骨格筋 / 運動 / AMPキナーゼ / 筋収縮 / シグナル伝達 / 糖代謝 / 糖輸送担体 / 高脂肪食 |
Research Abstract |
本研究の目的は運動によって骨格筋内において惹起される5'AMP-activated protein kinase(AMPK)の活性化がどのような因子によって増強され、どのような因子によって減弱するのかを明らかにするとともに、その活性修飾が生じる分子メカニズムを明らかにすることである。まず、血糖降下剤ないしはインスリン感受性改善剤によるAMPKの活性修飾を検討するため、インスリン抵抗性2型糖尿病モデル動物obese Zuckerラットないしは正常ラットに対してビグアナイド剤(metformin)、チアゾリジン誘導体(pioglitazone)、ないしはACE阻害剤(temocapril)を4週間投与した。これらの動物に対してトレッドミルを用いて急性運動を負荷し、骨格筋におけるAMPK活性化とAMPK関連生理作用(インスリン非依存性糖輸送促進・インスリン感受性亢進・Acetyl-CoA carboxylase(ACC)活性抑制)への影響を検討した。これまでに検討した範囲では、いずれの薬剤においても運動によるAMPK活性化と関連生理作用への修飾作用は認めなかった。また、抗酸化剤(N-acetyl-l-cysteine)を投与して同様の検討を行ったが、AMPK活性や関連作用への修飾は認めなかった。さらに食事の慢性変化によるAMPK活性修飾について検討したところ、高脂肪食下で4週間以上飼育したラットにおいて、運動時のAMPK活性化と関連作用とが並行して減弱することを見いだした。現在、シグナル伝達経路においてこの減弱を惹起する責任ステップの解析を進めている。なお、骨格筋AMPKにはα1、α2の2種類の活性サブユニットが存在するが、運動によって顕著に活性化されるのはα2である。このα2サブユニットをAMPK活性剤AICARを用いて実際に運動した場合と同程度まで活性化すると、運動時と同様に、インスリン非依存性糖輸送促進・インスリン感受性亢進・ACC活性抑制、糖輸送単体GLUT4発現亢進が生じることを見出し報告した。
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Research Products
(1 results)