2006 Fiscal Year Annual Research Report
運動療法の効果を仲介する中枢神経ユビキチンリガーゼの同定
Project/Area Number |
17500430
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
二川 健 徳島大学, 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教授 (20263824)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安井 夏生 徳島大学, 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (00157984)
中屋 豊 徳島大学, 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (50136222)
根本 尚夫 徳島大学, 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教授 (30208293)
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Keywords | 運動トレーニング / 神経細胞ユビキチンリガーゼ / Cbl-b遺伝子欠損マウス / 運動失調 / ユビキチンリガーゼ阻害剤 / アンローディング |
Research Abstract |
長期間寝たきりや宇宙フライトしたヒトや動物はしばしば中枢性の運動失調(歩行失調)を起こす。これは、骨格筋の活動(緊張や運動方向)を中枢(特に小脳)がうまく感知できなくなるためと考えられる。申請者らは、航空宇宙開発研究機構との共同研究で、宇宙フライトや尾部懸垂した実験動物では、Cbl-bと呼ばれるユビキチンリガーゼが骨格筋と小脳で活性化していることを見出した。骨格筋のCbl-bは、インスリンの細胞内情報伝達分子IRS-1をニビキチン化し、そのプロテアソームによる分解を亢進した。一方、尾部懸垂後のマウスは著しい失調歩行を示し、小脳のCbl-bは小脳脊髄失調症の原因遺伝子であるAtaxin-7と結合していた。Ataxin-7は転写因子のCo-activaterの一つであり、その遺伝子異常は神経細胞のアポトーシスを誘導することが知られている。以上の知見より、筋肉の活動状態を感知した小脳のCbl-bが、Ataxin-7などをユビキチン化しその分解を亢進した結果、小脳細胞の転写活性が傷害されているのではないかと考えた。本年度は、主に培養細胞を用い、下記の実験を行った。1)Cbl-bを強発現した培養細胞を用いた解析:培養細胞にCbl-bを強発現させ、Cbl-bと結合する蛋白質を検索した。細胞の種類によりCbl-bの結合する蛋白質は異なり、筋細胞ではIRS-1、神経細胞ではCap、上皮細胞ではEGF受容体と好んで結合した。これは、その細胞での発現量だけでなく、シグナルの強度(リン酸化の強度)に依存することがわかった。2)Cbl-b阻害剤の検索:Cbl-bのユビキチン化活性の阻害剤をオリゴペプチドに求めた。特異的なアミノ酸配列を有するペンタペプチドがCbl-bによるユビキチン化を阻害することを初めて発見し、特許申請した。
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Research Products
(9 results)