Research Abstract |
1.先行研究の検討 スポーツ社会学領域における先行研究を検討した結果,実証的研究の積み重ねが必要であること,障害者をスポーツ活動の主体であると同時に生活主体として捉える必要があること,地域社会の丹念な社会構造分析が必要であること,生活構造分析において歴史的視点の導入が必要であることを明らかにした. 2.分析枠組みの検討 鈴木広の生活構造論を参照し,生活構造の実態を把握する際の具体的な内容について検討した.さらに,歴史的視点を導入するためにライフ・コース分析及びライフ・ヒストリー分析について検討した.運動・スポーツ実践については,多々納が行ったスポーツ参加の要因分析を参照し調査項目を検討した. 3.生活構造分析のためのアンケート調査用紙作成 生活構造と運動・スポーツ実践に関する調査項目は次の通りとした.【基本的属性】年齢,性,学歴,父の学歴,世帯居住年数,居住年数,家族構成【生活条件】職業,労働状態,住居形態,通勤手段・時間,個人年収,世帯主年収,健康状態,余暇時間【生活様式】現在の余暇内容,理想の余暇内容,地域社会活動内容・参加度,近所との付合い,親しい友人【生活意識】生活満足度,将来の生活,生活観,健康文化への同調【運動・スポーツ意識】スポーツの必要性,スポーツ目的,スポーツ満足度,スポーツ参加阻害要因【運動・スポーツ活動】スポーツ種目,スポーツ頻度,スポーツ仲間,スポーツ施設,地域スポーツ参加,スポーツクラブ・団体 ライフ・コースデータの収集のための年表式アンケート調査用紙を独自に開発した.対象地域の歴史的出来事,地域的出来事,スポーツ的出来事との関連の中で,「ライフ・イベント」「運動・スポーツ種目」「運動・スポーツ頻度」「運動・スポーツ仲間」「運動・スポーツ目的」「主観的健康観」「家族構成」「居住地域」「地域社会活動」を,学齢期毎及び10歳台毎に記入できるようにした. 現在,これらの2種類のアンケート調査用紙の妥当性を確保するために,20歳以上の健常者(男女)を対象に予備的調査を行っている(データ収集中,300部回収).また.ライフ・ヒストリー分析についても,予備的調査を行い,調査者のインタビュー法に関するトレーニングを行った. 4.対象地域の選定及び社会構造分析のための基礎的データ収集 対象地域の行政担当者と面接し,地域に関する基礎的データを収集した(継続中).
|