2005 Fiscal Year Annual Research Report
高地トレーニングに関する基礎研究:低酸素環境下の循環・呼吸器系の動態
Project/Area Number |
17500441
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Research Institution | Kokushikan University |
Principal Investigator |
日下部 辰三 国士館大学, 体育学部, 教授 (80117663)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 秀樹 横浜市立大学, 医学部, 準教授 (80305458)
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Keywords | 頚動脈小体 / 脱神経 / 自律神経 / 高血圧 / 低酸素暴露 / 血管拡張 / 神経ペプチド / 免疫組織化学 |
Research Abstract |
脱神経後に低酸素暴露したラットの頚動脈小体:舌咽神経(SD)、舌咽神経と交感神経(SD+S)および舌咽神経、交感神経および副交感神経(SD+S+V)切断後に低酸素暴露(Hypercapnic Hypoxia : 10% O2 in N2)したラット頚動脈小体の形態変化を比較検討した.舌咽神経と交感神経(SD+S)を切断後に低酸素暴露した頚動脈小体は血管拡張を伴い有意に肥大した.舌咽神経(SD)を切断後に低酸素暴露した頚動脈小体と舌咽神経、交感神経および副交感神経(SD+S+V)を切断後に低酸素暴露した頚動脈小体には頚動脈小体には有意な肥大は認められなかった.頚動脈小体内の血管の拡張率は、舌咽神経、交感神経および副交感神経(SD+S+V)を切断後に低酸素暴露した頚動脈小体のみで顕著な拡張が見られた.これらの結果は、低酸素環境下における頚動脈小体の肥大は、交感神経支配と副交感神経支配のバランスが関与している可能性を示している. 高血圧ラットの頚動脈小体:低酸素暴露以外では高血圧による頚動脈小体の肥大が報告されている。自然発症高血圧ラット(SHR)とその対象群であるWistarラット(WKY)の頚動脈小体の形態を組織計測により比較検討した。SHRではWKYに比べ、頚動脈小体の長径が有意(約1.3倍)に大きかった。しかし、低酸素暴露のより肥大した頚動脈小体の特徴である小体内の血管拡張は認められず、高血圧ラットにおける頚動脈小体肥大のメカニズムは、低酸素暴露の際のメカニズムと異なるものと考えられる。SHRではWKYに比べ血管作動性の神経ペプチドであるVIP免疫陽性線維の分布密度が低かったが、上記結果との関連が推測される.
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Research Products
(6 results)