2006 Fiscal Year Annual Research Report
メカニカルストレスが脳卒中易発症高血圧自然発症ラットの骨代謝と寿命に及ぼす影響
Project/Area Number |
17500446
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Research Institution | Chukyo University |
Principal Investigator |
梅村 義久 中京大学, 体育学部, 教授 (00193946)
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Keywords | メカニカルストレス / 骨密度 / 高血圧 / 脳卒中 / オステオカルシン / オステオポンチン |
Research Abstract |
脳卒中易発症性自然発症高血圧ラット(SHRSP)は遺伝的に高血圧・脳卒中になり、また種々のカルシウム代謝異常を伴っており骨量が少ない。SHRSPにジャンプトレーニングを行なわせ、骨量を増加させることが寿命および骨・カルシウム代謝、脂質代謝などに及ぼす影響について研究を行なった。第一実験では、SHRSPをトレーニング群(n=15)およびコントロール群(n=15)に分け、トレーニング群には6〜22週齢時にジャンプトレーニングを行ない寿命の相違をみた。現段階で数匹のラットがまだ生存しているためデータ解析が十分ではないが、トレーニングが寿命を延長することはないようである。第二実験においてはSHRSPをトレーニング群(n=10)およびコントロール群(n=10)に分け、トレーニング群には6〜14週齢時にジャンプトレーニングを行ない14週齢時に骨および血液の分析をおこなった。この結果ジャンプトレーニングはSHRSPの脛骨の骨塩量(コントロール比117%)、骨強度(コントロール比128%)などを増加させ、SHRSPにおいてもジャンプトレーニングによって骨が鍛えられることが明らかとなった。しかし、骨代謝マーカーである血清オステオカルシンおよび骨吸収マーカーであるラットラップスにはトレーニングによる変化が認められず、どのように骨代謝に影響したのかは明らかとはならなかった。また血清Caおよび血清PTHは両群間に有意な差がなかったが、血清無機リン酸はトレーニングによって有意に低下した。これはカルシウム代謝が改善された可能性を示すものである。一方、骨関連タンパク質であるオステオプロテゲリン、オステオポンチン、sRANKL、マトリックスGlaタンパクなどの血液中の値は、トレーニングによって変化することはなかった。また血清総コレステロール、HDL、LDLなどの血清脂質も変化しなかった。
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