2006 Fiscal Year Annual Research Report
加齢に伴う反応時間の遅延はトレーニングで改善できるか?
Project/Area Number |
17500464
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
植竹 照雄 東京農工大学, 大学院共生科学技術研究院, 教授 (10168619)
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Keywords | 加齢 / 反応時間 / トレーニング効果 |
Research Abstract |
本研究では一度低下したヒトの反応時間を改善するためのトレーニング法の開発を目指し、初期段階としてトレーニングマシンの開発を行った。トレーニングマシンの製作に関しては前年度には試作機が完成し、そのアイデアについての特許出願も終了している。 本年度に完成した反射神経トレーニングマシンの概要は以下のとおりである。(1)光刺激に対する選択反応動作を要求するマシンである、(2)光刺激は交通信号機と同色である赤、青、黄の3色とした、(3)操作盤全体に同一の操作面を6箇所配置し、個々の操作面には光刺激を発するランプと光色に応じた2個の消灯スイッチが左右に配置されている、(4)赤ランプは左スイッチ、青のランプは右スイッチ、黄のランプは左右のスイッチ同時に専用のパッドで押えると消灯する、(5)6つの操作面およびランプの色は任意に作動する、(6)トレーニングマシンが提供するトレーニングモードは4種類とした。 本年度において、開発したトレーニングマシンを使用して、成人男女を被験者として選択反応時間短縮を目指したトレーニング実験およびその効果の残存性について検討した。その結果は以下に示すとおりである。 ・男女とも4日目を境にして急激に平均反応時間が速まる。 ・トレーニング開始から徐々に同一被験者内のばらつきが狭まり平均反応時間が一定する。 ・トレーニングを連続するといったんばらつきが狭まったあと、再度ばらつきが広がると同時に平均反応時間が速まる。 ・トレーニング終了1ヶ月後、2ヶ月後においても速まった平均反応時間はほぼ維持される。 以上のことから、成人においては新たに脳内運動プログラムの創出を示唆するものである。高齢者においても本研究で開発したトレーニングマシンは反応時間の遅延改善に有効であると予想できる。
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Research Products
(1 results)