2006 Fiscal Year Annual Research Report
児童生徒の校外での犯罪・交通事故・災害を防止するための安全マップ作成に関する研究
Project/Area Number |
17500472
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
水野 惠司 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (90231612)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
元村 直靖 大阪教育大学, 学校危機メンタルサポートセンター, 教授 (80190974)
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Keywords | 学校安全 / 地図 / 地理情報システム / 犯罪 / 交通事故 / 子ども |
Research Abstract |
本年度の実績として、1)大阪教育大学附属池田小学校校区を事例に、広域学校安全地図作成を行い、小学校の社会科授業などに提供し、また、保護者に配布し、意見をもとめた。2)大阪北部に広がる郊外地域を対象にして、犯罪と交通事故の空間分析をおこなった。1)アンケートから得た、安全地図に対する保護者の意見を参考に、第二版の安全地図が作成された。さらに、小学3年社会科授業において、地域の安全を保つための、子どもと学校・地域・警察との結びつきとそれぞれの役割という主題での授業が行われ、そこで、安全地図に描かれた不審者の分布、子ども110番の家分布図が利用された。2)大阪北部、兵庫県東部の11市区町を対象に、犯罪と交通事故の空間分析を行った結果、犯罪と交通事故は、均等やランダムに発生するのではなく、地域内の複数箇所に集中することがわかった。子どもの交通事故の集中場所は大人のそれと異なる場合が多い。中学校校区単位での子ども人口と犯罪・交通事故件数とは正の相関がある一方で、校区間には有意な発生率の差異が見られ、校区内に発生地点の粗密が見られた。このことは、校区単位で、犯罪交通事故の危険度を評価することの有意性を示している。道路や土地利用図との重ね合わせ分析の結果、犯罪の場合、住宅地域特に中高層住宅に多く発生する。また商業地の周辺地域や商業地と住宅地との混在地域に発生が多くなる。このような場所は、犯罪企図者にとって入りやすい通行量の多い場所から、少し住宅地内に入り、人の監視が少なくなる場所に相当する。交通事故の場合、幹線道路上とその近辺に大半が分布する。また住宅地と商業地に多く発生している。子どもの行動が地域の経済社会活動と関連し、交通事故の集中する場所となっていることを示している。
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Research Products
(2 results)