2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17500504
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Research Institution | Kyoto University of Education |
Principal Investigator |
後藤 景子 Kyoto University of Education, 教育学部, 教授 (30243356)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田川 由美子 神戸ファッション造形大学, ファッション造形学部, 准教授 (40207808)
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Keywords | エキシマ紫外光 / 合成繊維 / 水晶振動子 / ぬれ性 / 吸湿性 / 吸水性 / 洗浄性 / 染色性 |
Research Abstract |
水晶振動子法を利用して、高分子表面へのエキシマ紫外光照射の影響を調べた。水晶振動子上にポリエチレン膜をスピンコートし、紫外光照射前後の接触角や表面自由エネルギーを測定した。その結果、1分間の紫外光照射により接触角が激減し、照射後の疎水性回復を考慮してもぬれ性が著しく改善されることが確認された。照射前後のポリエチレン膜の水分特性、およびステアリン酸汚れの汚染性や洗浄性を水晶振動子の周波数変化から追跡したところ、接触角や表面自由エネルギーの大きさと矛盾なく、水晶振動子法により高分子膜表面の紫外光処理効果を定量的に把握できることが示された。 次に、アセテート、ポリエステル、ナイロン、アクリルおよびポリプロピレンの各布に紫外光照射を行ない、実用性能の変化を調べた。照射による表面反射率および引張特性の変化は殆どなく、布の劣化が起こらないことが確認された。単繊維に対する水の接触角を測定した結果、繊維表面のぬれ性が増大していることがわかった。X線光電子分光法と原子間力顕微鏡法によりポリエステル繊維の表面分析を行ったところ、紫外光照射により表面酸素濃度と表面の凹凸が増大することが明らかとなった。このような繊維表面の変化は布の吸水性や吸湿性の増大をもたらすことが確認された。ポリエステル布にカーボンブラック汚れを付着させ、界面活性剤水溶液中での汚れ除去率を表面反射率法で評価したところ、紫外光照射により除去率が増大することがわかった。また、分散染料でポリエステル布の染色を行なったところ、紫外光照射後に発色性が向上するという結果が得られた。このように布を用いた実験でも紫外光処理の有効性が確認された。
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Research Products
(5 results)