2006 Fiscal Year Annual Research Report
ライフスタイルの個人化等と居住形態の変化に関する研究
Project/Area Number |
17500512
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
多治見 左近 大阪市立大学, 大学院生活科学研究科, 教授 (10163461)
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Keywords | ライフスタイル / 個人化 / 居住形態 / 家族 / 単独世帯 / 住宅供給 / 都市居住 / 地域特性 |
Research Abstract |
本研究は、1990年頃から個人を中心とする家族生活が顕著になってきたという社会背景の変化が居住形態に及ぼす意味を明確にするとともに、今後求められる居住形態と住宅形態の課題を抽出することに目的がある。昨年度は単身者向け住宅の事例調査と、既往研究の検討を行った。本年度はその結果にもとづいて、統計による実態把握と個人化のわかりやすい典型である単独世帯について、とりわけ地域的分布と、居住実態についての分析を行った。つまり(1)典型地域である東京都での単独世帯の諸指標からみた特性と分布状況、(2)単独世帯の諸特性が特徴的な地区の立地や周辺状況の確認、(3)典型地区の現地調査による住宅地特性の検討、である。以上から、単独世帯の居住形態とライフスタイルを推定し、単独世帯などの個人化居住形態の課題等を明らかにしようとした。得られた成果は以下のようである。 1.単独世帯の分布: 単独世帯の分布が年齢によって異なり、20歳代の若年層は郊外部に、30歳前後からは都心へのアクセスの便利な地域に分布することが明らかとなり、ライフスタイルとの関連性が想像された。大局的には、若年ほど就学・就業の施設との関係が、年齢が上がるほど都心へのアクセスが重視される傾向がある。 2.特性地域の類型: 30歳以上の単独世帯分布には、分布する地域性にいくつかの傾向のあること、簡単には港区などの文化や産業、交通、地理的位置などあらゆる面で都心的性格が突出して強い地区と、都心的性格がいくつかの面に限られたり、突出してはいない地区、単に都心の特定ポイントへのアクセスが便利で都心を指向しているというべき地区などの類型を推定できた。 3.類型の居住地特性: 典型地区の現地調査により、2で述べた類型は、住宅の種類や水準と、都市施設や用途、密度など居住環境と強い関係にあり、それらによって特徴的なライフスタイルが形成されていることが想定できた。
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Research Products
(4 results)