2005 Fiscal Year Annual Research Report
染色布の耐光堅ろう度における基質および紫外線吸収剤の効果
Project/Area Number |
17500515
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyoritsu Women's University |
Principal Investigator |
芳住 邦雄 共立女子大学, 家政学部, 教授 (60220620)
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Keywords | 染料 / 光退色 / 波長依存特性 / 紫外線吸収剤 / 分散染料 / マルチクロマティック / 変退色抑制効果 / モノクロマティック |
Research Abstract |
本研究は、繊維界面に存在する染料の光退色を波長依存特性として解明し、染色布の変退色にかかわる情報を集積し、染色布保全への指針を得ることに主眼をおいている。その際には、繊維基質および紫外線吸収剤の変退色への効果、すなわち、染料・繊維界面における相互作用に起因する光退色への影響を解明することを目的としている。 分散染料を2種類(C.I.DisperseRed 167:1およびDisperseRed323)選定し、ポリエステル布を染色した。これらに対して紫外線吸収剤UVA(Cibatex LF)による加工を施した。また、日本および米国における耐光堅ろう度用の標準布(ブルースケール、ブルーウール)も研究対象に加えた。 フェードメーターを用いたマルチクロマティックな光照射と共に回折格子照射分光器を用いて得られたモノクロマティックな光を試料布に分光照射した。波長域は、220〜700nmであり、ほぼ16nmおきの単色光について変退色特性を求めた。UVA加工した試験布の反射スペクトルの測定から、UVAによる照射光の吸収は380nmにピークを有し、おおよそ300nm〜425nmの範囲にあることが認められた。これによりDisperse Red 167:1において1%owfでは照射時間140時間で未加工の50%にまで変退色を抑制することができた。さらに3%owfでは64%の抑制効果が認められた。一方、Disperse Red 323でのUVA加工による変退色抑制効果は、1%owfで28%、3%owfで38%であった。UVAの作用は、染料の種類により大幅に異なることが、本研究において見い出された。また、これらのUVA加工量と変退色抑制効果の間には、直線的な関係ではなく、飽和する傾向が認められた。 一方、モノクロマティックな光照射実験により、UVAによる作用が近紫外領域の照射波長の制御に有効なことが明らかとなった。
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Research Products
(1 results)