2007 Fiscal Year Annual Research Report
染色布の耐光堅ろう度における基質および紫外線吸収剤の効果
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17500515
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Research Institution | Kyoritsu Women's University |
Principal Investigator |
芳住 邦雄 Kyoritsu Women's University, 家政学部, 教授 (60220620)
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Keywords | 分光照射 / 絹 / アクリル / 作用スペクトル / メチレンブルー / 紫外線吸収剤 / 光変退色 / 木綿 |
Research Abstract |
[目的]染色布の光照射による変退色は被服科学における重要な課題である。染料は対象とする基質との関連において、その中でも塩基性染料は歴史的にも比較的早い段階から開発され、鮮明な色合いを持つものとして知られている。本研究では、メチレンブルーに着目して異なる基質での染着性を確認しながら、絹における紫外線吸収剤の作用に注目し、その耐光堅ろう度特性を明らかにすることを目的としている。 [実験方法]染料には和光純薬製メチレンブルーを用いて、綿・絹・ウール・アクリル・ナイロンを染色した。綿においてはタンニン酸を媒染剤として用いた。紫外線吸収剤にはSEESORB 101S(シプロ化成)を用いた。染色布の反射スペクトル測色には、ミノルタ製色彩計分光測色計CM-2002型を用いた。染色布への光照射互こは、B領域紫外線ランプおよび回折格子を装備したXeランプを用いた。変退色レベルは、色差によって評価した。 [実験結果および考察]メチレンブルーの染着性は、アクリルで最もよく鮮明であり、次いで絹、綿であった。綿での色調は低彩度であった。B領域紫外線照射における変退色は、絹>ナイロン>ウール>綿>アクリルで著しく、紫外線吸収剤加工による光堅ろう度の上昇は、絹、ウール、綿、ナイロンにおいて認められた。絹染色布に対して、分光照射によって変退色の波長依存性を検討したところ、波長250nm〜350nmの範囲で変退色は著しく、その最大ピークは波長296nmに存在することが明らかとなった。また、紫外線吸収剤加工による効果は、紫外線領域での照射に対して有効であることを確認した。380nmにおいて最大であり約25%の防護作用が認められた。
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