2005 Fiscal Year Annual Research Report
地域在住高齢者の低栄養早期対応介入プログラムの効果検証
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17500522
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Research Institution | Kokugakuin Tochigi Junior College |
Principal Investigator |
湯川 晴美 國學院大學栃木短期大学, 家政学科, 助教授 (00260307)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 隆雄 東京都老人総合研究所, 副所長 (30154545)
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Keywords | 低栄養 / 高齢者 / 食事づくり / 低栄養予防プログラム / 血清アルブミン / 介入研究 |
Research Abstract |
後期高齢期になるにしたがい、慢性疾患の悪化や生活活動の低下、歯の喪失や歯周病等による咀嚼能力の低下は低栄養を容易に引き起こし、やがて寝たきりや要介護へと移行することが予想される。低栄養は在宅高齢者の15%にみられ、転倒、失禁、認知症などといった老年症候群の1つにあれられ、早期の予防対策が重要であると考える。本研究は低栄養ハイリスクグループを対象に低栄養予防プログラムを開発し、その有用性を検証する。 方法は2002年10月に板橋区内で行われた「お達者健診」受診者で、2003年度実施した料理教室対象者(勤労福祉会館受診者)を除く939名のうち、低栄養ハイリスク者(血清アルブミン値3.8g/dl以下)115名を抽出した。参加希望者35名に対して教室内容に関する説明会を実施した。同意の得られた32名を介入群15名(男性6名、女性9名)と対照群17名(男性11名、女性7名)に分け、介入群に2004年4月中旬〜7月中旬の3ヶ月間、低栄養予防プログラムを実施した。プログラムは食材購入にはじまり、下準備、講話、料理師範、実習、共食、反省、後片づけを行い、昼食を「一緒に作って食べる」形式で、3ヶ月の間、計12回の実施とした。後半6週目からは調理実習に食事チェック「クック10法」を導入した。料理教室の開始前と後に同一のアンケート調査、身体計測、血液生化学検査を実施し、介入前後での比較を試みた。 血液生化学検査値の介入前後の変化は、男性の対照群に血清アルブミン値の低下傾向がみられた。群間比較では介入後の血清アルブミン値において女性に有意な差がみられた。身体状況の変化は対照群と比べて介入群に間食の摂取頻度が減少した。教室参加者における「クック10法」の開始前後での比較を行ったところ、1日当たりの食品摂取スコアは増加傾向にあり、1週間当たりの食品群別摂取日数は卵および緑黄色野菜に有意な増加、乳製品に増加傾向がみられた。3ヶ月間にわたる食事づくりの介入を通して、低栄養傾向者において、食品摂取状況に改善がみられた。
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Research Products
(2 results)