2005 Fiscal Year Annual Research Report
健康な衣住空間創造のための媒染染色による高消臭・抗菌機能布の開発
Project/Area Number |
17500524
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Research Institution | Tokyo Kasei Junior College |
Principal Investigator |
小林 泰子 東京家政大学短期大学部, 服飾美術科, 教授 (50259123)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
仲西 正 お茶の水女子大学, 生活科学部, 助教授 (90198143)
小見山 二郎 実践女子大学, 生活科学部, 教授 (60016574)
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Keywords | 消臭性 / 直接染料 / 銅塩 / におい / インバースガスクロマトグラフ / 抗菌性 / 媒染染色 / 反応染料 |
Research Abstract |
快適な衣住空間を創造するために、衣類や住空間設備品にさまざまな色と、高い消臭・抗菌機能を持たせること、また廃棄衣料を消臭・抗菌材料としてリサイクルすることを目的に本研究を計画した。 今まで用いた4種類の含銅直接染料の中で最も消臭性の高いC.I.Direct Blue 200と硫酸銅を用いて、原料や前処理の異なる生機、マーセル化、未マーセル、増白の4種類のメリヤス綿布、ブロード綿布、脱脂綿を先媒染、染色、後媒染し、エチルメルカプタンに対する消臭性を検討した。先媒染のみ行った試料の含銅量は未マーセル、増白、生機メリヤス綿布では0.021-0.031mmol/g、残りの3種類の試料では0.006-0.011mmol/gであった。一方、染色のみ行った試料の染着量はマーセル化メリヤス綿布が最も多く、約20mg/gで、他の試料では約13mg/gであった。先媒染、染色、後媒染の順で重ね媒染を行うと、先媒染で含銅量が多かった生機メリヤス綿布、染色で染着量の多かったマーセル化メリヤス綿布の含銅量の増加は顕著で、約0.05mmol/gとなった。消臭性は重ね媒染により増加し、特に後媒染の効果が大きいことがわかった。含銅量と消臭性には相関があり、含銅量が多くなると消臭性が急激に増した。用途の多い綿を直接染料で媒染する場合、マーセル化メリヤス綿布を使用すると色が鮮明で、消臭性の高い染色布を得ることができる。反応染料による媒染メリヤス綿布の消臭性についても類似した結果が得られ、さらに、(財)日本化学繊維検査協会に依頼した検査でMRSAやぶどう球菌等に対する抗菌効果も認められた。通常、消臭は布へのにおいの吸着・分解により起こると考えられる。現在、島津ガスクロマトグラフGC-2014ATを用いたインバースガスクロマトグラフ法により、綿繊維中でのエチルメルカプタンの吸着・分解挙動を検討中である。
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