2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17500535
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
寺沢 なお子 金沢大学, 教育学部, 助教授 (00227513)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村田 容常 お茶の水女子大学, 生活科学部, 教授 (60210051)
|
Keywords | 発酵食品 / 抗酸化性 / 機能性 |
Research Abstract |
北陸地方の魚介発酵食品であるイシルから抗酸化性成分を精製し,その有効性について検討することを目的とした。 まず,イカイシル及びイワシイシルの抗酸化性について検討した。試料には,イカイシル3点,イワシイシル3点を用いた。抗酸化性の評価はDPPHラジカル消去活性測定法により行い,測定値をトロロックス量に換算した。その結果,イカイシルでは約1,500〜1,650μg/g,イワシイシルでは約900〜1,100μg/gトロロックス相当量であった。高い活性を示したイカイシルを用いて,活性成分の分離・精製を試みた。イカイシルの70%エタノール抽出液をゲル濾過クロマトグラフィー(Sephedex LH-20カラム)に負荷したところ,溶出量198mlのピーク(F-33)及び溶出量366mlのピーク(F-61)に高い活性が認められた。F-33では,500nmにおける吸光度が最高値を示したため,イシル製造過程で生成されたメイラード反応生成物が抗酸化性に寄与した可能性も考えられた。また,F-61では,220nmにおける吸光度が比較的高い値を示したことから,アミノ酸などの低分子窒素化合物の影響が示唆された。各ピークを逆相クロマトグラフィーにより分離したのち,活性画分をリクロマトグラフィーにかけ単一ピークを得た。これらはトロロックス量で約16,000〜22,000μg/gの高い活性を有しており,これはイカイシル本体の10〜13倍に相当する活性であった。さらにこれらの画分についてアミノ酸配列分析を行った結果,1つの画分がジペプチドまたはトリペプチドである可能性が示唆された。
|