2006 Fiscal Year Annual Research Report
思春期および妊娠期のダイエットが子の発育と学習能力に及ぼす影響
Project/Area Number |
17500541
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
水上 戴子 奈良女子大学, 生活環境学部, 教授 (50031688)
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Keywords | 思春期 / 妊娠期 / 食餌制限 / ラット / 学習能力 |
Research Abstract |
近年、若い女性の間ではやせ願望があり、思春期や妊娠期におけるダイエットが母のみならず子にも悪影響を及ぼすことが懸念される。ラットの思春期を7週齢、性成熟を12週齢ととらえ、思春期のみに食餌を30%制限するダイエットを実行した場合、或いは思春期に引き続き妊娠期にもダイエットを実行した場合において、妊娠、妊娠維持、出産が可能か、さらに子の生存が離乳まで可能かについて検討する。また、出生時と離乳時における子の発育および学習能力への影響と母体への影響を明らかにすることを目的とした。 7週齢のWistar系雌ラットを3群に分け、ミルクカゼインと分離大豆タンパク質をそれぞれ10%ずつ含むタンパク質20%食を自由摂取させた群を対照群(CC群)とした。思春期のみ食餌制限した群をRC群、思春期・妊娠期に食餌制限した群をRR群とした。食餌制限の方法は、pair-feedingにより行った。つまり、対照群の飼料摂取量より体重当たりに換算して30%少ない量を30%制限食とする。授乳期間は3群ともに自由摂取とした。思春期は7週齢〜11週齢の5週間、妊娠期間は21日間、授乳期間は21日間とする。得られた結果は次の通りである。 いずれの群においても、妊娠、妊娠維持、出産が可能であった。RC群、RR群ではCC群に比べて胎子・胎盤等重量が有意に減少し、1腹子当たりの出生子数が低下した。新生子、離乳子の発育については体重、臓器重量においてRR群、RC群がCC群より有意に小さく、離乳までの生存率が低下した。さらにRR群では新生子の体重、臓器重量はRC群よりも有意に低値を示した。Morrisの水迷路と8方向放射状迷路実験により、生後4週齢〜7週齢において学習能力の検討を行ったが3群間に顕著な差は見られなかった。
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