2006 Fiscal Year Annual Research Report
乳化系を用いた加熱調理実験用試料のモデル化とその熱移動現象の定式化
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17500552
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Research Institution | Tokyo Kasei University |
Principal Investigator |
長尾 慶子 東京家政大学, 家政学部, 教授 (20217970)
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Keywords | W / O型乳化 / 乳化剤 / 熱移動現象 / 遅延時間 / 加熱操作 / Cassonの降伏値 / 熱拡散率 / 油滴 |
Research Abstract |
本研究は、加熱実験用食材モデルとしての乳化系モデルを創製し、それらの内部熱移動現象を追跡することを目的に2年間の研究期間内を設定している。昨年度は日常使うことの食材として最も界面張力の強い卵黄を乳化剤にして油相体積分率を変化させたマヨネーズ様O/W型乳化モデルを調製し、ついで卵黄中の成分の影響を排除するために、油と水のみに食品用乳化剤を添加して、油相体積分率の異なるO/W型乳化モデルを創製し、それらの乳化系を加熱した際の熱移動の指標としての熱拡散率や遅延時間との関係を検討し結果を報告した。 その結果を受けて、今年度(平成18年度)は、親水性ならびに疎水性の食品用乳化剤を選択し、同様に分散相体積分率を0.3〜0.9に変えたW/O型乳化モデル系を調製した。またO/W乳化系を対象に調製時の攪拌回数を変化させて分散相の粒子径を変えた試料を調製した。実験内容は、昨年度と同様な加熱実験により、熱物性値の測定・算出、粘度、分散相粒子の顕微鏡観察と画像解析を行い、乳化の型の違い及び粒子径の違いが熱移動に及ぼす影響について検討した。 その結果、乳化の型が異なっても(すなわち分散相が油や水に関らず)、系内の熱移動を支配しているのは、試料の水の量と試料固有の熱拡散率であり、系中の水の割合が多い程みかけの熱拡散率が大となり内部温度の上昇速度が増す(1/τ(x)が大)ことが示唆された。またW/O型乳化試料は、O/W型のそれと比較して、試料調製時の攪拌速度や加熱により不安定であること、みかけ粘度やCassonの降伏値も低いこと、分散相水滴径の分布範囲が広く最多頻出径が3μm(O/W型では1.5μm)と粒径が大であることが明らかとなった。単純な水・油の系に、分離を抑制するために加えたこんにゃくマンナン粉末は熱伝達方式が伝導伝熱を維持する役目を担っていたが、結果として試料全位置での内部熱移動が抑制された。すなわち、マンナンゲルが水を捕捉し熱の移動に関る自由水が少なくなるものと推測された。
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Research Products
(12 results)
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[Book] 総合調理科学事典2006
Author(s)
日本調理科学会編(分担執筆)
Total Pages
603
Publisher
光生館
Description
「研究成果報告書概要(和文)」より