2006 Fiscal Year Annual Research Report
マイタケ水抽出物は動物脂肪細胞の分化をどのように抑制するか
Project/Area Number |
17500563
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Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
大鶴 勝 武庫川女子大学, 生活環境学部, 教授 (30110860)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南野 勝彦 武庫川女子大学, 生活環境学部, 助手 (80399138)
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Keywords | 舞茸 / 動物細胞 / 脂肪細胞 / 分化抑制 / 食品機能 |
Research Abstract |
マイタケに含まれる水抽出物は純系マウス由来の3T3-L1細胞およびB_2C_1細胞だけでなく、ヒト皮下由来の培養細胞においてもトリグリセライドの蓄積を抑制した。動物培養細胞であるB_2C_1細胞において、その分化抑制作用機序はCCAAT-enhancer binding protein(C/EBP)βおよびC/EBPδの発現を抑制することによるものであった。さらに、これらの因子が発現を誘導すると考えられている、Peroxisome proliferator activated receptorsγおよびC/EBPαの発現をも抑制した。尚、これらの因子の発現抑制または非活性化はMAP Kinaseシグナルによるものではなかった。さらに、脂肪細胞の分化を前駆脂肪細胞の分化ステージにとどめておく、いわゆるゲートキーパーの役割をはたすβ-カテニンの蓄積は見られなかった。さらに、骨格筋および脂肪細胞にのみ発現する糖の輸送担体であるGLUT4の発現も抑制していた。脂肪細胞分化課程後期に活性化するGPDH活性は抑制された。成熟した脂肪細胞から分泌されるレプチンの分泌量が減少していた。 一方、ヒト皮下由来の白色脂肪細胞では、マイタケ水抽出物によってトリグリセライドの蓄積および、脂肪合成のkey enzymeであるGPDH活性の抑制がみられた。 そして脂肪細胞分化のマスターレギュレーターとされる核内転写因子PPARγ及びC/EBPファミリーの発現を抑制しており、マイタケ水抽出物による脂肪細胞分化抑制効果は動物細胞だけでなくヒト由来の細胞でも同様の作用機序を示すことから人体への応用が期待できる結果を得た。 生理活性物質の精製は、極性が強いのでODS C18および水系で使用できる逆相クロマトグラフィーカラムを使用し、精製を繰り返している。この生理活性物質の構造決定についてはLC-MS、TOF-MSおよびNMRをもちいて、現在検討中である。
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