2005 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者の腸内環境改善に関する研究-真空調理を用いた高食物繊維食品の開発
Project/Area Number |
17500565
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
田村 朝子 山形大学, 地域教育文化学部, 助教授 (60240991)
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Keywords | 腸内細菌 / 食物繊維 / 真空調理 / 便秘 / 高齢者 |
Research Abstract |
本研究は施設入所高齢者の便秘の実態を明らかにした上で、高食物繊維食を摂取し、下剤に頼らない腸内環境改善を目的としている。平成17年度は、高齢者の便秘の実態調査を中心に研究を行った。 1.高齢者の便秘に関する実態調査 施設入所高齢者を要介護度別に分類し、排便や食事について調査した。その結果、要介護度が高い程、咀嚼・嚥下機能低下が著しく、経管栄養やきざみ食の割合が多かった。喫食量は全員がほぼ全量摂取であったが、要介護度が高い程、提供栄養量が低くなっていた。排便は、要介護度3以上で、ほぼ全員が1周間のうち、1回以上下剤を使用しており、使用回数や使用量は要介護度5が最も多く、続いて要介護度4であった。排便回数は、下剤の使用が多かったにも関わらず、要介護度5で4.8回/7日間と最も低くなった。逆に、要介護度4では、7.3回/7日間と多くなったが、毎日排便があるわけではなく、2〜3日排便がなく、下剤を投与すると翌日は5回程度排便するという人ばかりで、状態も軟便で、介護者の負担も大きくなっていることが明らかになった。 2.高齢者の腸内環境の検討 (1)腸内細菌叢 要介護度別の平均値で細菌数を算出した。その結果、要介護度が高い程、総菌数が少なかった。また、下剤の投与回数が多かった要介護度4では、Bifidobacteriumが顕著に少なく、下剤によってビフィズス菌が腸内に定着しにくい状態にあることが明らかになった。要介護度5では、Lactobacillusが有意に低くなっていた。 (2)便中排泄成分(水分他) 水分は要介護度4,5で80%と高く、軟便であった。 3.真空調理による検討 肉、魚、野菜など献立によく使用される食材を、形、量を変化させ、真空包装後オーブン加熱し物性、色差、溶出液成分について現在検討中である。通常加熱に比べ真空調理で煮くずれが少なくなる傾向にあった。
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Research Products
(1 results)