2007 Fiscal Year Annual Research Report
担子菌の発酵能を用いた健康・機能性アルコール飲料の開発
Project/Area Number |
17500570
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Research Institution | Mukogawa Women's University Junior College Division |
Principal Investigator |
松井 徳光 Mukogawa Women's University Junior College Division, 食生活学科, 教授 (20211807)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福田 祥子 武庫川女子大学, 生活環境学部, 助手 (50399135)
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Keywords | 担子菌 / アルコール飲料 / ワイン / 清酒 / 機能性食品 / 抗トロンビン活性 / 抗酸化活性 / 血栓症 |
Research Abstract |
本研究では、心筋梗塞や脳血栓などの血栓症およびガンを予防する健康・機能性アルコール飲料の開発を主目的として、前年度までに引き続き、担子菌のアルコール発酵能を利用したワインおよび清酒の製造を試みた。担子菌で発酵させたワインは、赤ブドウのみならず、白ブドウを用いた場合においても抗酸化活性が著しく高まった。スエヒロタケで発酵させた白ワインにはリンゴ酸が多く含まれていた。糖含量については、担子菌のアルコール発酵による糖の著しい減少が予想されたが、同時に行われている担子菌の糖化によって高分子の糖質が分解され、グルコースなどが多く存在していた。また、アミノ酸分析の結果、トータルの遊離アミノ酸量は減少したが、アミノ酸の種類によっては増加の傾向を示すものも存在し、高分子タンパク質の分解および担子菌による新たなるアミノ酸の生産の可能性が示唆された。さらに、より効率の良いアルコール生産法を検討した結果、培養開始は好気的に回転振とう培養を行い、担子菌の菌糸体を十分に増殖させた後、嫌気的な静置培養を行うことによって急激にアルコール発酵が行われることを見出した(好嫌気切換え培養法を開発した)。清酒については、炊飯米を用いた場合では、スエヒロタケで最高4.5%、蒸米を用いた場合ではNAPAで最高3,8%のアルコール濃度を示し、全体的には炊飯米の方が高い値を示したことから、担子菌の場合は蒸米に比べて炊飯米の方が糖化しやすいことが考えられた。また、担子菌の発酵により、新たに抗トロンビン活性や抗酸化活性が付加された。さらに、糖化能に優れている担子菌とアルコール発酵能に優れている担子菌との混合培養の結果、より早く、より高いアルコール生産が可能であることが見出された。以上の結果から、担子菌の発酵能を利用した機能性および嗜好性に優れたワインおよび清酒の闘発は、新たなる培養法を確立したことから十分に可能であり、今後、製品化を試みる予定である。
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Research Products
(6 results)