2005 Fiscal Year Annual Research Report
公共空間内監視カメラ設置指針策定のための応用倫理的研究およびデータベース作成
Project/Area Number |
17500582
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
松王 政浩 静岡大学, 情報学部, 教授 (60333499)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 安功 静岡大学, 情報学部, 教授 (80283331)
淺間 正通 静岡大学, 情報学部, 教授 (60262797)
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Keywords | 監視カメラ / プライバシー / 監視社会 / 情報倫理 / 公共空間 |
Research Abstract |
監視カメラ設置、および関連した「社会の監視化とプライバシー」に関わる国内外の調査として、本年は特に国外での意識調査に重きを置いた。研究分担者の淺間は、当初の研究実施計画にあるように欧州圏での調査を担当し、本年はフィンランドを中心に調査を行った。フィンランドではタンペレ高等学校の招請を受け、監視カメラや携帯端末による監視問題の講演を行うとともに、インターバカロレアクラスの生徒や教員に、監視に関わる種々の意識調査を行っている。また研究代表者の松王は、「社会の監視」についての意識が日本や欧州とはかなり異なると考えられる中国(北京)を訪問し、主に北京言語大学の学生の協力を得て、街頭、店内における監視カメラに対する意識、および関連調査として、ネット上の様々な検閲についての意識を調査した。淺間、松王のいずれの調査も、日本での監視カメラ設置基準を考える上で非常に興味ある結果を得ている。次年度は、この成果を踏まえて、国内における意識調査と監視カメラ設置の実態調査を本格的に行う予定である。 松王と研究分担者の岡田は、それぞれ倫理・法の側面から内外のプライバシー関連の文献を収集し、議論の整理とデータベース化に向けた準備を進めている。監視化とプライバシーに関わる倫理問題研究、法的問題研究の成果として、松王は北海道大学の科学技術コミュニケーター養成講座で「情報技術とプライバシー」に関わる講演を、また岡田は日本社会情報学会大会のワークショップで、「行政と企業の電子化と個人情報の保護」について、特に社内の監視問題について講演を行った。 また、淺間は著書「人間理解の座標軸」(編著)を出版し、その中で監視問題を含む、情報技術とコミュニケーションの問題を論じている。
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Research Products
(1 results)