2005 Fiscal Year Annual Research Report
『学習のふり返り』による「学習活動と評価の一体化」に関する研究
Project/Area Number |
17500593
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
二宮 裕之 愛媛大学, 教育学部, 助教授 (40335881)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長崎 栄三 国立教育政策研究所, 総合研究官 (50141982)
熊野 善介 静岡大学, 教育学部, 教授 (90252155)
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Keywords | 教育評価 / 学習のふり返り / 指導と評価の一体化 / Authentic Assessment / 自己評価 / メタ評価 / 一人称的他者 / 学習活動と評価の一体化 |
Research Abstract |
国内における他教科でのパフォーマンス評価と学習のふり返りの実践、並びにアメリカやイギリスなど諸外国の算数・数学教育分野におけるパフォーマンス評価と学習のふり返りの具体的実践記録の検討を通して、パフォーマンス評価や記述による学習のふり返りに関する国内外の先行研究をレビューした。その結果を踏まえ、「学習のふり返りと学習のまとめ-学習者の立場からの学習活動と評価の一体化」と題した論文を纏め報告した。ここでは、従来から行われてきた学習のまとめを再考し、学習のふり返りは評価であるとの認識の下、「学習活動と評価の一体化」という新しい評価観を導き出している。また「算数・数学学習の評価に関する新たな視点」では、評価に対する評価として「メタ評価」という概念を打ち立て、その定義を行うとともに、「学習の成果とは知識・技能を獲得した自分(たち)を認識することである」との新たな視点を打ち出した。更に「算数・数学教育における「メタ評価」に関する基礎的考察」では、メタ評価の特質を理論的に導き出した。 一方、具体的な実践をベースとした研究として、研究協力者による「学習のふり返り」の実践を進め、そのパイロットスタディの成果を「Note-Taking and Metacognition in Learning Mathematics : An Analysis in Terms of Semiotic Chaining and Meta-Representation」として報告した。ここでは、学習のふり返りとしてなされるノート記述を、3種類に分類して同定している。更に、「学習評価を学習の方法として活用すること-学習活動と評価の一体化-」では、学習のふり返り・まとめの事例に基づき、学習の方法として「評価」を活用する手だてについて考察を進めた。その結果、「ふり返り」と「まとめ」とは表裏一体の活動であることが示され、それらを相互構成的に構築していくことの必要性が示唆された。
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Research Products
(5 results)