2006 Fiscal Year Annual Research Report
高校工業教育における実験・実習の内容とその教育効果に関する実証的調査研究
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17500599
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
長谷川 雅康 鹿児島大学, 教育学部, 教授 (00253857)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三田 純義 群馬大学, 教育学部, 教授 (50280350)
佐藤 史人 和歌山大学, 教育学部, 助教授 (80324375)
佐藤 浩章 愛媛大学, 教育・学生支援機構, 助教授 (10346695)
吉留 久晴 鹿児島国際大学, 国際文化学部, 助教授 (20387450)
丸山 剛史 宇都宮大学, 教育学部, 助教授 (40365549)
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Keywords | 工業教育 / 実験・実習 / 課題研究 / 製図 / 職業生活史 / 段取り / 手作業 / 体験 |
Research Abstract |
本研究の第一の目的は、工業高校の工業教科内容とくに実験・実習(工業技術基礎、課題研究を含む)の内容実態を全国規模で客観的に把握すること。実習の標準的な内容を、実験・実習のテーマ・実施時間・指導体制を明らかにする。調査の結果、単位数が削減され、コース制を80%余りの学校が採用し、多様化した。工業技術基礎は単位数が増えたが、学科別の傾向が強まった。実習も単位数が削減されるなど、減少傾向。製作が増え、理論の検証が減少。課題研究は定着傾向。情報技術関係は強化された。総じて、今次学習指導要領改訂で実験・実習と専門科目の内容が削減され、工業教育の教育力の低下が極めて問題と考えられる。 第二の目的は、平成12〜14年度に実施した工業高校卒業者への教育内容に対する評価の調査協力者に追跡調査を行い、専門的な工業教育の要件と効果並びに問題点を総括すること。これまでに、機械卒9名、電気卒2名、電子卒4名、工業化学卒4名、建築卒4名の合計23名に面接した。それぞれ個人的条件が異なるので、統一的な見解はまだ出せないが、以下の点で高校段階の工業教育の特質が伺われる。 (1)15歳から18歳という時期に具体的な技術体験を踏まえた教育が、一生を通した影響をもつこと。 (2)とくに、手を用いて具体物を扱うことが、後の理論学習の大切なバックグラウンドを用意すること。 (3)理論の基礎を順に、検証実験を伴って学習することが重要で、高校時代がそれに適すること。 (4)ものづくりの全体の見通し(段取り)を付ける力が身につくこと。 (5)物事への積極的な姿勢が身に付けられること。 これらの結果を踏まえ、さらに面接を続け、今後の専門的な工業教育のための教育課程開発の諸要因を整理する。
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Research Products
(4 results)