2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17500602
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kawamura Gakuen Woman's University |
Principal Investigator |
原田 耕平 川村学園女子大学, 教育学部, 教授 (10238181)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江森 英世 群馬大学, 教育学部, 助教授 (90267526)
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Keywords | 図形 / 認知発達 / 推論 / 証明 / 幾何 |
Research Abstract |
本研究の目的は、ジュネーブ学派の学習実験を手掛かりとして縦断的な教授学的実験を通じて、生徒の図形認知と推論の発達過程を明確にするとともに、生徒の図形認知と推論の発達を支援する教授法を開発することである。 本研究は3年間の継続研究であり、本年度はその1年次として、図形の認知発達および幾何教授法の理論的研究および次の2種類の実験を実施した。第1の実験では、生徒の図形認知と推論の発達水準を同定するために、中学1・2・3年生(600人)を対象とし、実験問題として「平行四辺形の面積に関する問題」、「三角形の面積公式に関する問題」、「三角形の辺の垂直二等分線に関する問題」を用いた。その結果、生徒の図形認知については、図形のポジティブな側面に対するネガティブな側面の認知、補充合同な図形の認知、証明プロセスに伴う図形の認知について、3つの発達水準を同定した。また推論の発達については、証明の一般性の根拠、図形操作と代数処理との関係、証明における間接的方法について、3つの発達水準を同定した。第2の実験では、生徒の図形認知と推論の発達を支援する教授法の実証を行った。中学1年生(3クラス)を対象とし、実験群として「認知的葛藤による方法」による授業および「弁証法-教授学的方法」による授業、統制群として通常の問題解決授業を実施した。その結果、統制群に対して、「認知的葛藤による方法」では多様な図形認識が生成され図形認知の発達を支援すること、「弁証法-教授学的方法」では推論の根拠の明確化など推論の発達を支援することが推測された。本年度の実験の被験者(中学1年生)は18年度以降の被験者として認知発達が追跡される。なお、実験協力校(2校)の数学カリキュラムに基づいて本年度の実験時期が18年3月に設定されたため、詳細なデータの分析および研究成果の発表は次年度に行う予定である。
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