2005 Fiscal Year Annual Research Report
音声科学における教材を目的とした人間の音声生成機構を模擬する声道模型の開発と改善
Project/Area Number |
17500603
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
荒井 隆行 上智大学, 理工学部, 助教授 (80266072)
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Keywords | 科学教育 / 音声科学 / 可視化 / 声道模型 |
Research Abstract |
本研究のテーマは音声の生成機構を模擬し、教材と教育プログラムを開発することを目的として物理的な声道モデルを実現するものであることから、まず「実際に人間がどのように音声を生成しているか」を観察した。データはマサチューセッツ工科大学にてEMMA(electromagnetic midsagittal articulometer)による収集済みの調音データを用い、それを基に分析を行った。そこで得られた観測データと、声道模型から得られるデータとを比較することによって、新たな声道模型を設計するための知見を得た。すでに我々は、日本語5母音に対する人間の声道形状を物理的な模型で模倣し、断面積が変化する音響管に適当な音源を入力することで音声を生成することに成功している。そこで培われたノウハウを基に、新たな声道模型として舌の動きを操作できる頭部形状型の声道模型を設計した。また、国内外の研究者・教育関係者と情報交換を重ね、その議論を基に設計図の修正を繰り返した。次に、その新しい声道模型のプロトタイプを、入手可能な材料を使って製作し、その実現可能性を確認した。その後、加工処理を専門とする業者に依頼して、新しい声道模型の試作をしてもらった。また、人間の発声の基本となる呼吸をシミュレートする肺の模型に関しても、従来型のものに加えて、より人間の骨格に近いモデルを製作した。さらに、様々な材料を組み合わせることで、声道模型に入力する音源に関する改良も重ねた。現在は、どの音源と声道模型の組み合わせがもっとも教育的に効果があるかなどを調査中である。
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Research Products
(3 results)