2007 Fiscal Year Annual Research Report
ユビキタス情報社会における教育学の脱構築に関する基礎的研究
Project/Area Number |
17500622
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
本田 敏明 Ibaraki University, 教育学部, 教授 (00127705)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
二宮 利江 電気通信大学, 大学院・情報システム学研究科, 助教 (70323194)
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Keywords | ユビキタス情報社会 / Learning GRID / e-Pedagogy / 社会的構成主義 / ユビキタスコンピューティング / 教育システム情報学会 |
Research Abstract |
本研究は、昨今の情報化社会(ユビキタス情報社会)における教育学の基礎的理論の提案を最終目標とし、次の7項目をその研究対象とした。1)On-line Teachingと教育学、2)遠隔教育と学級内授業のためのOn-line teachingの方法、3)学習者中心の教育ストラテジー、4)Blended learning、5)Mobile learning(ユビキタスコンピューティング)、6)デジタルポートフォリオと評価、7)学習組織とLearning GRID。これらの7項目について3年間の研究で従来の教育学の再検討と内外の動向調査を行い、新しい教育学=e-Pedagogy概念の創出と実証的検証を行った。特に平成18昨年度から19年度にかけて、わが国においてはe-Pedagogyに関する理論や実践が学会レベルから国策レベルへと展開されており、また,欧米を中心とする海外のLearning GRIDという新しい学習支援のための大規模なシステムが動き出しており、本研究はそのためのわが国独自のe-Pedagogyの脱構築を目指す基礎研究として一定の成果を上げられた。 研究機関内の国内外の学会や調査において、上述の研究視点の内、3)学習者中心の教育ストラテジーと7)学習組織とLearning GRIDの二極化傾向が見られたこと、及びそれ以外の項目で従来の教育学の枠を出ていないか技術的な側画に留まっていて、現時点で新しい教育学の構築について議論する際には、学習者中心の教育ストラテジーと学習組織とLearning GRIDを中心に検討していくことが望ましいことが判明した。そこで、学習者中心の教育ストラテジーとして、平成18年度から着手した学習者の状態と学習スタイルの相関について近年の構成主義的予測モデルを新しい学習システムの可能性として研究を進めた。また、学習組織とLearning GRIDに関しては、教育システム情報学会で新しいe-Pedagogyを検討する部会が立ち上がり、国内外の動向を調査、検討することになり、また、平成19年度から科学技術教育協会による「u-school推進コンソーシアム」が設立され、学校や、家庭、社会におけるe-Teachingシステムの開発が計画されている。本研究ではそれらの動きともタイアップした研究として実施できた。 本研究では,研究を各研究者は次のような役割・担当で研究を実施した。本研究代表者である本田は、教育システム情報学会評議員であると同時に同e-Pedagogy部会の部会長の立場にあり、また、「u-school推進コンソーシアム」の委員でもあり、統括的立場から本研究との連携を取りながら担当した。また、研究分担者の二宮は、近年の脳科学や生物学の知見を取り入れた予測モデルの新しい学習システム研究の学界内での第一人者であり、その立場から本研究における教育システム構築・実践データの収集に当たった。
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Research Products
(6 results)