Research Abstract |
1.創造性に関する心理学的知見に基づいた授業の実践 中部大学の創成科目の受講生に対して,以下の3つの学習者の活動から構成された授業(半期13回)を実施した. (1)導入:プログラミングのための環境の構築と,基本的なプログラミングに関する講義と演習 (2)創造活動:LEGO Mindstormsを用いて,グループでロボットを製作し,タイムトライアル競技に参加 (3)リフレクション:自己の創造活動を振り返って評価するメタ認知的な活動の実施-グループの創造活動の記録をもとに創造プロセスをチャートとしてまとめ,自己の創造活動について評価する. 2.学習効果の評価 本実践の創造性教育の受講により,学習者の創造活動が向上していることが,以下の評価によって確認された. (1)アンケートによる主観的評価の結果から,学習者が創意工夫し,トライ・アンド・エラーの姿勢で取り組んだことが確認された. (2)デザイン課題を用いた客観的評価(受講前と受講後に2回実施)の結果から,学習者のアイデア産出スキルについて,数,幅,深さともに,受講後向上していることが確認された.また,アイデア産出の系列を分析した結果,創造活動に重要とされるリフレクティブな活動を行った学習者が,受講後増加していることが確認された. 3.新たな授業デザインによる授業の実践 前述した結果を踏まえて,授業デザインの改善,学習効果の新たな評価方法の考案,授業支援ツールの改良を行った授業が,新たに実施された.評価結果からは上述2.で確認された学習効果が同様に確認され,さらに,リフレクションに関する情報量の増加が確認された.これは,作業報告書の作成,アップロードの義務化等の授業デザインの改善により,学習者が自己の活動を容易かつ詳細に記録することができるようになった効果といえる. 現在,新たな評価方法の結果に対する,より詳細な分析を進めている.
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