2005 Fiscal Year Annual Research Report
学習者の理解状態を統計的分析手法によって解析するe-Learning支援システム
Project/Area Number |
17500662
|
Research Institution | Osaka University of Arts |
Principal Investigator |
武村 泰宏 大阪芸術大学, 芸術学部, 助教授 (90280065)
|
Keywords | e-Learning / 順序関係 / 関連構造 / 理解状態 / 統計的分析手法 / 教育工学 |
Research Abstract |
本研究の目的は,申請者が従来行ってきたe-Learning支援技術に関する研究を発展させ,教授者と学習者の面談が少ないネットワークを介した教授・学習環境においても,教授者が学習者の理解状態をリアルタイムに把握してフィードバックが行えるようなe-Learning支援システムを開発し,その有用性を明らかにして学習者一人一人の理解状態に対応した効果的な教授戦略の実現にある。本年度は,この研究(2ヶ年計画)の初年度にあたるもので,研究実績は以下のとおりである。 (1)学習フェーズの進行による学習者の理解状態の変化に適応したインタフェースを構築してテスト機構を設計し,Linaxサーバーに実装した。 (2)順序関係(ある知識の理解に他の知識の理解を必要とする関係)を導出するための順序関係解析機構を設計し,順序関係解析機構をLinaxサーバーに実装した。2つの知識項目X,Yにおける順序関係は,知識項目におけるテスト結果(テスト数,全学習者の正解率,学習者の間違い数)を2項分布の分布関数を用いて導出する統計的分析手法も新たに提案した。 (3)順序関係解析機構から導出された順序関係の全体構造を,知識項目がnode,順序関係の強さはnodeを結ぶedgeの太さで表した有向グラフとして描画する関連機構描画機構を設計し,その機構をLinaxサーバーに実装した。 (4)テスト機構,順序関係解析機構,関連構造描画機構を使用し,高等学校物理Iの「物体の運動」に関する知識をテスト対象とした評価実験を行い,これら機構における機能を検証した。その結果,正解率が同じ2人の学習者における理解状態の差異を関連構造によって確認できた。また学習者の理解が困難な知識項目を,関連構造の視覚的な解析によって把握できることが確認できた。その結果,学習者の理解しづらい知識項目の要因分析と,それに対応した教授戦略が提案できた。これらの成果については学会において発表を行った。
|
Research Products
(6 results)