2005 Fiscal Year Annual Research Report
実物モデルの設計・製作・実験を通じた力学に関する解析モデルの構築
Project/Area Number |
17500673
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Research Institution | Oyama National College of Technology |
Principal Investigator |
三田 純義 小山工業高等専門学校, 機械工学科, 教授 (50280350)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 稔樹 東京工業大学, 大学院・社会理工学研究科, 助教授 (60173845)
古田 貴久 群馬大学, 教育学部, 助教授 (60261822)
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Keywords | 科学教育 / 教育工学 / 設計工学 / 力学 / モデル化 / シミュレーション / WBT(Web Based Training) / 教授活動ゲーム |
Research Abstract |
物作りの中核となる設計活動では、設計に必要なさまざまな情報を集め、情報を組み合わせて解析モデルを構築し、実物モデルと対応させながら、設計案を練り上げていく。本研究では、力学を題材とした問題解決において、具体的な物作り体験と関連づけて、分析と総合を繰り返して、学習者が解析モデルを構築するプロセスを明らかにすることをねらいとし、学習支援システムを開発する。 具体的には、「150gのおもりを引き上げる自動車モデルの設計」を題材として、意思決定ゲーム型の教授活動ゲームをベースにして、Web上で仮想体験(シミュレーション実験)をしながら効率的に学習を進め、一定の理解に達した時点で「ものづくり」の実体験作業を行える学習支援システムを開発した。 JavaAppletにより、実物を使いながら行っていた設計と実験の作業をe-learning教材上だけで実行できる実験シミュレータとして、(1)自動車モデルの重量と重心を設計するシミュレータと(2)自動車モデルがおもりを引き上げるシミュレータを開発した。また、力学の基礎知識として、物体に働く力とその力の釣り合い、力のモーメントのつりあいを理解させる力学理解支援教材と、教師の問題作成を支援するオーサリングシステムを開発した。 開発した学習支援システムのうち、力学理解支援教材を使い、静力学について教育効果が得られるか、また、同一の学習内容に対し、どのようなフィードバックを与えることでより高い学習効果を得られるかをプレテストポストテストの結果および教材中の問題の正解率により比較検証した。その結果、(1)JavaAppletにより物体にはたらく力を実際に学習者に提示することは、理解度の低い学習者に対して静力学理解度を向上させる可能性がある、(2)JavaAppletによる学習者へのフィードバックが基礎的な内容に限定されているため、学習者の応用力を身につけるという点では、必ずしも役に立っていないことが示唆された。 今後は、開発した学習支援システムによる実践を積み上げ、静力学の学習に対する仮想体験と実体験の効果や、学習者の理解を高めることのできるフィードバック方法について検討し、力学に関する解析モデル構築の学習プロセスを明らかにする。
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Research Products
(6 results)