2005 Fiscal Year Annual Research Report
戦後日本の技術研究組合の研究活動に関する歴史的研究
Project/Area Number |
17500681
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
橋本 毅彦 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (90237941)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣野 善幸 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (90302819)
岡本 拓司 東京大学, 大学院総合文化研究科, 助教授 (30262421)
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Keywords | 産学連携 / 技術開発 / 技術組合 |
Research Abstract |
技術研究組合の中でも、光学技術研究組合は現在オプトメカトロニクス協会として存続しており、その事務所には多数の資料が保存されている。それらの資料の中には、技術研究組合の発足当初以来の技術報告や会計の基本データなどが記録として保存されている。 技術研究組合の初期の歴史においては、基本的には産業界の研究者の共同研究ならびにそれらの研究者と国立研究所の研究者との間の共同研究を支援するということになっていたが、大学の研究者も少なからず参加したことが史料から読み取れる。大学の研究者にとっても、企業の研究者との直接の共同研究は進めにくかったが、技術研究組合のような公的な性格を有する組織の下では、実質的にも企業との共同研究を進めることができたことが証言されている。 技術報告を読み進めることによって、共同研究組合において進められた基本的な研究課題やその進め方の内実を知ることができた。初期の研究組合においては、レンズの改良が企画されたりしたが、研究組合において進められる研究課題は、各企業に共通されるような一般的課題に限定され、個々の製品につながるような製品固有の技術開発はなされなかったことが技術報告内でも述べられている。 技術研究組合のアイデアは、イギリスにおいて発足して活動がなされた研究組合に起源をもっているが、ドイツにおいて出版されたイギリスとドイツの研究組合の歴史に関する書籍を参考にして、その活動の歴史を参考にした。
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