2007 Fiscal Year Annual Research Report
戦時下日本の科学論・技術論の展開に関する実証的研究-新資料の発掘と検討を通して
Project/Area Number |
17500682
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
北林 雅洋 Kagawa University, 教育学部, 准教授 (80380137)
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Keywords | 科学論 / 技術論 / 戦時下 / 科学ペン / 唯研ニュース / ダイヂェスト / 科学評論 / 科学文化 |
Research Abstract |
戦時下の科学論・技術論に関する新資料の発掘を集中的に試み、それらも含めた当時の諸議論を網羅することが本研究の目的であるが、優先的に発見を試みていた資料である「唯研ニュース」『ダイヂェスト』『科学評論』について、今年度も新たに発見できたものはなかった。国内の大学図書館等の個人文庫3ケ所を調査したが、上記のものについて新しい資料の手がかりは得られなかった。ただし、昨年度に引き続いて、戦時下の科学啓蒙書に関して、国内の図書館等に所蔵されていない希少な文献を、古書店等と通じて発見、収集することができた。これらの資料の一部を用いて、日本理科教育学会四国支部大会において「戦時下日本の科学啓蒙書と戦後の理科教科書」を報告した。また、昨年度に引き続き、これまでに収集した資料について、主にまだ「総目次」が公刊されていない雑誌について、その「総目次」の作成作業を進め、『科学ペン』『科学文化』に関してはすべてを、「唯研ニュース」『ダイヂェスト』『科学評論』に関しては発見・収集できたものについて、「総目次」を作成した。さらに、研究協力者2名と11月に研究会を開催し、もう一つの月刊誌『科学文化』について、および今野武雄の戦時中の歯車研究の特徴などに関して、研究の中間的発表と意見交換を行なった。これら研究会の成果と、作成した雑誌「総目次」を収録して、ここまでの研究成果をまとめて「研究成果報告書」(全201頁)を印刷、発行した。本研究が目ざしていた、戦時下の科学論・技術論をめぐる議論を網羅し、多様な展開を追跡・整理し、それらの全体像を示すことは、また入口の段階にとどまった。しかし、そのための重要な基盤を確立することが、本研究によってなされといえる。
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Research Products
(3 results)