2007 Fiscal Year Annual Research Report
高速増殖炉開発の歴史に関する日本とフランスの比較研究
Project/Area Number |
17500685
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
小島 智恵子 Nihon University, 商学部, 准教授 (70318319)
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Keywords | 原子力 / 高速増殖炉 / 科学技術史 / エネルギー問題 / 日仏比較研究 |
Research Abstract |
1.研究内容 昨年度からフランスに於ける高速増殖炉(以下FBR)開発に関する資料収集とその歴史的分析に加え、FBR開発に貢献したフランス人研究者へのインタビューを開始しオーラルヒストリーの手法を本研究に導入した。昨年度はフランス原子力庁(以下CEA)の研究者を対象にインタビューを行ったが、本年度はフランス電力の研究者P.Schmitt氏にインタビューを行った。同氏からはインタビューに答えて頂いただけでなく、フランスのFBR実証炉スーパーフェニックスに関するデータをファイル形式で頂いた。同時にCEAアーカイブスにてFBR開発を比較検討した。それらをもとに、日本科学史学会と日本物理学会で研究発表を行った。また本年度は研究最終年度であるので、これまでの研究結果と収集資料やインタビュー内容を報告書にまとめた。 2.研究の意義・重要性 これまでの原子力開発の歴史に関する研究は主にアメリカの研究を対象としていたが、本研究においてはフランスと日本のFBR開発の歴史を比較するという新しい視点を導入したことに意義がある。本研究は日仏FBR開発の通史としては初めての研究であると言えるだろう。そしてこの比較研究の中で、初期のフランスのFBR開発においては米仏協力が重要な役割を果たしていたこと、FBR開発では国際協力が大きく貢献していたこと、初期の日本のFBR開発においてはフランスが指導的立場であったこと等を明らかにすることができた。 またP.Schmitt氏のインタビューでは、1998年にスーパーフェニックスが閉鎖となった理由を政治的観点から分析して頂いたが、その内容にはフランスではタブー視されているものも含まれていた。またフランス人的観点による日本のFBR研究に対する率直な批判も得ることができた。本研究テーマは、日本人の研究者だからこそ扱うことができたという点においても重要であると考える。
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Research Products
(2 results)