2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17500694
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hakodate National College of Technology |
Principal Investigator |
中村 和之 函館工業高等専門学校, 一般科目(人文系), 教授 (80342434)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小田 寛貴 名古屋大学, 年代測定総合研究センター, 助手 (30293690)
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Keywords | 蝦夷錦 / ^<14>C年代測定 / アイヌ / 山丹交易 / 明朝 |
Research Abstract |
蝦夷錦とは、前近代に、沿海州・サハリン(樺太)を経由して北海道に持ち込まれた中国製の絹織物の総称である。これまで、北海道や青森県で確認されている蝦夷錦は、50点ほどであるが、それらは、すべて17世紀以降のもの、中国の王朝名でいえば、清朝の時期のものである。ただし、文献史料による研究では、13世紀の元代、15世紀の明代にも、中国製の絹織物が北方から北海道に持ち込まれたことが分かっている。本研究は、明代に北海道やサハリンのアイヌ民族にもたらされた蝦夷錦を発見することを目的とする。 近年、日本列島の北方史の研究が進むにつれて、蝦夷錦は、北方交易の証拠として注目を集め、研究も進んできた。ただし、それらの研究は、いずれも文様の形式に基づいて行われたものであり、資料を相互に比較してどちらが古いかという、相対的な年代決定を行ってきた。本研究は、^<14>C年代測定の方法を用いることにより、蝦夷錦に絶対年代を明らかにすることをめざす。この方法が成功した場合、どのような意義があるかを以下にのべる。 まず、北海道や東北各県には、清代の蝦夷錦とは違う中国製の絹織物が存在するが、それらが明代の蝦夷錦である可能性を検証することができる。つぎに、資料の年代的な前後関係が明らかになり、蝦夷錦の文様の編年を、より正確に把握することができる。これらのことが明らかになれば、中世・近世における、日本列島の北方地域において交易活動がどのように推移したのか数量的に把握することができる。 本年度は、北海道の各地に残存する蝦夷錦の年代測定を行ったが、明代に遡る資料は確認できなかった。
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Research Products
(6 results)