2006 Fiscal Year Annual Research Report
亜熱帯海域表層における二酸化炭素吸収と栄養塩のダイナミクス
Project/Area Number |
17510005
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
神田 穣太 東京海洋大学, 海洋科学部, 助教授 (60202032)
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Keywords | 亜熱帯海域 / 二酸化炭素 / 栄養塩 / 表層モニタリング |
Research Abstract |
本研究では、亜熱帯海域における極めて低濃度の硝酸塩、アンモニウム塩、リン酸塩の時空間変動をpCO_2と同時に連続計測することにより、pCO_2変動が微小な栄養塩類濃度変動を伴うものか否かを明らかにすることを目的としている。この目的のためには、応答速度の十分速い(分解能が十分高い)溶存二酸化炭素分圧(pCO_2)連続計測システムが必要となる。本研究では一昨年度来、そのための計測システムの検討・試験を行ってきた。平成18年度はガス交換係数の大きい透過膜モジュールを用いたフロースルー型の気液平衡器を製作し、最終的に十分な応答速度を持つ連続計測システムを完成することが出来た。この連続計測システムの試験を東京海洋大学・青鷹丸船上で実施し、これを踏まえて東京海洋大学・海鷹丸第21次遠洋航海の東京-シドニー間(平成18年11月29日〜12月14日)で、西部太平洋亜熱帯海域(34°N〜30°S、141°〜155°E)における観測を実施した。航走時に船底から連続的に供給される表面海水について、本研究で製作した計測システムを用いたpCO_2の連続計測データ、分光法によるpHの連続計測データ、長光路キャピラリーセルを用いた高感度栄養塩類連続自動吸光光度分析装置による硝酸塩(+亜硝酸塩)、リン酸塩、アンモニウム塩の連続計測データ、海鷹丸の表面モニター装置による水温・塩分・クロロフィルの連続観測データ、を得ることが出来た。これらのデータについて、pCO_2の変動と、メソスケールの海象変動に伴う栄養塩濃度変動やクロロフィル濃度・日射量等の変動との関連についての解析に着手している。
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