2005 Fiscal Year Annual Research Report
ヘリウムラジオ波プラズマを利用した環境汚染物質測定用小型発光検出デバイスの開発
Project/Area Number |
17510014
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
中釜 達朗 首都大学東京, 都市環境学部, 助手 (50244421)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内山 一美 首都大学東京, 都市環境学部, 准教授 (40151899)
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Keywords | 原子発光検出 / 環境汚染物質 / ガスクロマトグラフィー / 有機硫黄化合物 / 有機塩素化合物 / 有機フッ素化合物 |
Research Abstract |
本研究では、ラジオ波(200-300kHz)の印加で小型かつ安定なヘリウムプラズマを容易に生成できることに着目し、気体または液体中に存在するppb-pptオーダーの環境汚染物質を高感度・高選択的に検出できる小型発光検出デバイスを開発する。当該年度は、高感度化検出デバイスの開発および微少量液体試料導入法の開発を行った。 (1)高感度化検出デバイスの開発:環境汚染物質として代表的な有機硫黄、塩素およびフッ素化合物に高感度な検出デバイスを開発した。測光系にアバランシェフォトダイオードモジュール(APD)を用い、干渉フィルターにより硫黄元素由来の原子発光(921-923nm)を選択的にAEDに導いた。電極内径および高圧側電極管の内径、電極間距離、印加電力および周波数、プラズマガス流量などを最適化した結果、いずれの化合物においてもpg/secオーダーの検出感度を達成した。これらの感度は市販のガスクロマトグラフィー(GC)用原子発光検出器(AED)と同等あるいはそれ以下であった。 (2)微少量液体試料導入法の開発:極微少量試料に対応できる試料導入法として、インクジェットマイクロチップを用いた試料導入法を開発した。試料に水を用い、GC用熱伝導度検出器(TCD)により吐出量および再現性を確認したところ、1滴あたりの吐出量は約1nlであり、このときの相対標準偏差は1%であった。吐出液滴数と試料導入量が直線関係にあったことから、試料導入量を電気的に制御できることを確認した。次に、以前当研究室で開発した小型AEDに本試料導入装置を結合させ、アルコール中の有機塩素化合物測定に適用した。その締果、pgオーダーの検出が可能であった。
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Research Products
(2 results)